介護で使う用語集
介護のお仕事で、ご家族の介護で、または様々な機関で使われる介護の用語を集めてみました。
ぜひご活用ください。
あ行
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IADL(あいえーでぃーえる)
Instrumental Activities Daily Living(手段的日常生活動作)のこと。買い物や電話などADLより高い水準の行動を指す。
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アカウンタビリティ
説明責任のこと。サービス提供事業者は、利用者に対して、サービス内容などを事前に説明する責任がある。
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上がりかまち(あがりかまち)
玄関の上がり口にある横木のこと。上がりかまち位置の高さが、高齢者には問題となる。
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悪性新生物(あくせいしんせいぶつ)
がんのこと。日本人の死因の第1位である。
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悪玉コレステロール(あくだまこれるてろーる)
LDLコレステロール。増加すると心筋梗塞などを引き起こす動脈硬化の原因になる。医師の指導のもと、食事内容の改善や適度な運動など生活習慣を改めることで、悪玉コレステロールを減らすことができる。
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アセスメント
事前評価のこと。医療関係者が問診や検査結果、症状の観察などの結果を評価・解釈・分析して患者が抱えている問題点を明らかにすること。介護支援専門員(ケアマネジャー)や介護職員が利用者の状況等を把握するために行うこともいう。介護過程の始まりであり、しっかりと利用者の情報を収集できるか、そして課題を明確にできるかが重要となる。
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アセスメントシート
アセスメント内容のほか、利用者指名、保険形態、アセスメントの理由、家族の構成、続柄などが記入できるようになっている。
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アテローム
皮膚にできる粉瘤とよばれる袋状のしこり。角質などが入っている。または、動脈硬化の原因になる血管の壁にできる粥腫の内容物。コレステロール、血管の修復に関わるマクロファージなどでできている。
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アドボカシー
代弁の意。権利やニーズを伝えることが難しい高齢者・障がい者に代わり援助者が表明すること。権利擁護の意味においても重要となる。
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アドレナリン
副腎髄質から分泌されるホルモンのひとつで、敵から身を守らなければならないような場面で血中に放出され、血圧、血糖値を上昇、心拍数を増加させる。
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歩き回り
徘徊のこと。認知症の周辺症状(BPSD)のひとつ。目的もなくどこかへ行ってしまうように見えるが、本人には歩き回る理由があるので、それを聞き対処する。事故の危険があるので注意が必要。
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アルツハイマー型認知症
脳の委縮により発症。記憶障害などが引き起こされる。認知症の一種。
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アルツハイマー型認知症治療薬
いまのところ認知症を根本的に改善する治療薬はなく、認知症の進行を抑える薬のみである。長らくドネペジル(商品名アリセプト)しか販売されていなかったが、薬の服用が困難な認知症の人のために、皮膚に貼るタイプの薬が発売された。
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アレルギー表示
アレルギー成分が含まれていることの表示。卵、乳、小麦、そば、落花生、エビ、カニのアレルギー成分について食品の包装に記載することが義務づけられている。
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アンドーシス
血液のpH(ペーハー)は通常7.4だが、それより低下して酸性に傾くこと。代謝性と呼吸性があり、代謝性では吐き気など、呼吸性では頭痛などの症状が出る。
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暗順応(あんじゅんのう)
明るいところから暗い映画館のなかなどに入ったときに徐々に暗さに慣れ回りが見えるようになるのが暗順応という。逆に暗いトンネルから外に出たときまぶしく感じるが1分以内には慣れるのが明順応という。高齢者ではこの機能が落ちて、順応に時間がかかるので、照明には注意が必要。
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罨法
布などで患部を覆って冷やしたり、温めたりすることで炎症を抑えたり、鎮静させる治療法。医師の指示に従って行う。
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医行為(いこうい)
医療行為のこと。医師、歯科医師等が医学に基づいて疾病および、けがの治療を行うこと。厚生労働省通知による「医行為でない行為」は介護職員が行うことができる。
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意識障害(いしきしょうがい)
意識を失うなど、意識状態のレベルが低下していることを意識障害といい、生命の危険を示唆する場合がある。意識レベルを知るには、呼びかけや叩くなどの刺激でどのような反応をするかで判断する。
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移乗(いじょう)
車いすからベッドやトイレなど、他の何かに乗り移ること。トランスともいう。
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異食(いしょく)
認知症の周辺症状(BPSD)のひとつで、手に取るものを何でも食べてしまう行為。なるべく周りには口に入るようなものを置かないことで防ぐ。
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一次救命処置(いちじきゅうめいしょち)
心肺停止に陥った人にAEDや胸骨圧迫、人工呼吸を施すこと。そばにいた人が誰でも行える。まず通報し助けを呼び、呼吸を確認、AED、胸骨圧迫を行う。
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一次判定
介護保険サービスを申請した人に対して、訪問調査員による質問調査をもとに要介護を判定すること。介護サービス調査票をコンピューター処理して決まります。最終判定ではありません。
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一次予防
疾患を予防するために、食生活、運動、休養など生活習慣を整え、健康の増進を図ること。二次予防は病気の早期発見・早期治療。三次予防はリハビリテーションを指す。
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一部負担
介護保険等を受ける際に利用者が支払う自己負担分のこと。原則として介護報酬の1割だが、所得に応じて、2割(平成30年8月からは3割となる方もいます)の場合もある。
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一包化(いっぽうか)
医師から処方された薬を、薬剤師が、朝食後、睡眠前など、1回に服用するごとに自動分包器で1袋に入れて出してくれるもの。介護職員は一包化された薬剤は服用介助できる。在宅生活の高齢者においても薬の飲み間違いや飲み忘れを防ぐための一助ともなる。
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移動介助
自力での移動が困難な方の移動をサポートすること。車いすでの移動や、杖や歩行器を使用しての歩行の付き添いなどがそれにあたる。
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易疲労性
異常な疲れやすさ。さまざまな病気の兆候にあげられる。薬の副作用としてもある。
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医薬品
薬事法で定められている薬。病院で処方される医療用薬品、店頭で買えるOTC薬(一般用医薬品)がある。
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医薬部外品
薬事法で定められている医薬品に準ずるもの。口臭防止スプレー、制汗スプレー、ベビーパウダー、育毛剤、入浴剤、一部のビタミン剤、蚊取りマットなど薬効成分が入っているもの。
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医療過誤
医療事故(アクシデント)のなかで、診断の誤りやケアでの過失などにより患者に害を及ぼしたもの。医療の専門性から法的責任についてはさまざまな議論がある。
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医療ソーシャルワーカー
医療機関、介護老人保健施設、地域包括支援センターなどで、患者・家族の経済、社会、心理的な相談に応じ、社会復帰、在宅復帰の援助をする専門職。略称はMSW(medical social worker)。。
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医療費控除(いりょうひこうじょ)
納税者本人か家族が払った一年間の医療費の合計が10万円以上または所得金額の5%に相当する額を超えた際に超えた分が200万円を限度に所得から控除されること。
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医療保険制度(いりょうほけんせいど)
日本では国民皆保険制度のもと、誰でも安心して高度な医療を受けられるような仕組みになっている。健康保険、船員保険、共済組合、国民健康保険、後期高齢者医療制度からなる。
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医療保護施設(いりょうほごしせつ)
生活保護法で、医療を必要とする生活に困窮する人に対し医療を行う施設。都道府県市町村、社会福祉法人、日本赤十字社が設置する。
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イレウス
腸閉塞のこと。腸が、ねじれたり痙攣したりして、食塊がその部分より先に行けず詰まった状態。生命に危険を及ぼす場合がある。
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胃瘻(いろう)
経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)などで腹壁から胃壁につくられた孔をいう。この孔に管を通し、経口的に食事が摂れない患者に水分や栄養剤を入れて栄養を補給する。そのことを経管栄養という。
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院外処方
病院外の薬局で処方を行うこと。病院内の薬局で薬をもらうことを院内処方という。病院外の薬局ならどこでも処方箋をもっていけば、薬を調剤してくれる制度。
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インシデント
ヒヤリ・ハットのように、重大な事故には至らなかったものの、その可能性があった事例。インシデントを起こした人を責めるのではなく、その経験を検証することで、事故を引き起こさないための対策を立てるために活用される。
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インスリン
膵臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンのひとつ。糖新生を抑制し血糖値を下げる働きがある。糖尿病の場合には、インスリンが不足していたり、まったく出なかったりするので、注射や薬で補給する。
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インスリン自己注射
糖尿病でインスリン療法をしている場合は、自分でインスリンを注射し、血糖値のコントロールをする。見守りを含め、介護職員は介助できない。インスリン注射は食事の前にするが、体調不良などで食欲のない場合には血糖測定をし、注射と十分な水分補給をして受診する。
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陰性症状
統合失調症で感情鈍麻、意欲の減退など通常より機能が低下している場合をいう。認知症でも同じような症状に使われる言葉。
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インテーク
初回面接または受理面接、受付ともいい、福祉の分野では相談者と援助者が行う最初の面談や相談申込の場面をいう。ケアマネジメントにおいてのスタート。
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院内感染症
体力・免疫力の落ちた入院患者の多い病院内で流行する感染症。元気な人がかからないような細菌で感染が広がったり、インフルエンザやMRSAなどの感染も目立つ。
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インフォームドコンセント
説明と同意を意味する。医師から病状、選択できる治療法の長所・短所、治療効果などの説明を受け、患者が自分の責任において治療法を選択すること。
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インフルエンザ
インフルエンザウイルスの感染により急な高熱、節々の痛みのほか風邪に似た症状を示し、高齢者、子どもは重症化に注意しなければならない。検査は20分ほどで結果がわかる。早期の抗ウイルス薬の服用が症状をやわらげる。予防にはワクチンが有効で、手洗いや部屋の加湿も効果がある。発熱後3~7日はウイルスを排出する。空気感染、飛沫感染するのでマスクを着用し、人にうつさないようにする配慮が必要。
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ウェルビーイング
良好な状態のこと。WHO憲法草案での健康の定義に用いられた言葉。病気があってもなくても、社会資源などの整備で豊かで良好な生活を送ることが求められる。
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う歯
齲歯と書く。虫歯になった歯のこと。歯が口のなかの細菌でう蝕されて起こる。
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う蝕
齲蝕と書く。虫歯のこと。虫歯になった歯はう歯。
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うっ血
静脈血が心臓に還りにくくなることで、臓器や全身にたまった状態。
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うつ状態(抑うつ状態)
憂うつで元気が出ず、何もできない状態。喪失体験がきっかけでなる場合や、精神病の症状として出る場合がある。
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うつ熱
汗をかかないことで、体内に熱がこもってしまい、高熱を発する状態。
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運動療法
糖尿病、高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病で、病気のコントロールのために運動による健康の維持増進を図ること。どの程度の運動をすればよいかは、そのときの病状によるので医師の指示に従う。
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エイズ
AIDS
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衛生的手洗い
流水と石けんで、手のひら、手背、指の間、爪、親指、手首を洗う方法。速乾性手指消毒剤を使用してもよい。利用者がもつ感染症を、介護職員がほかの利用者などに広げないように心がける。
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栄養機能食品
身体の健全な成長、発達、健康維持に必要なビタミン、ミネラルなどの栄養成分を補給する食品で、食生活において特定栄養成分の補給を目的として摂取する者に対して栄養成分の表示をするものと定義されている。
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栄養士
都道府県知事の免許を受けて、学校、病院、事業所、保健施設、福祉施設などにおいて栄養指導をする者。管理栄養士の国家試験の受験資格となる。
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栄養指導
給食施設での健康の増進を目的として、医師や管理栄養士が専門的な知識や技術を用いて各疾患別、食種別に必要な指導や助言を行うこと。
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栄養成分表示
食品の包装に義務づけられている、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム、カルシウムなどの栄養成分の表示。
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液体酸素
在宅酸素療法(HOT)では、液体酸素、濃縮酸素のどちらかを選ぶ。液体酸素装置は、電気代がかからず携帯用の子機が軽いという利点がある。
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エコー(超音波)検査
からだにプロープという超音波を出す器具を当て、その反射をとらえて臓器の形態や大きさをみる検査。患者には痛みも被曝もなく、安全な検査とされている。
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ACP(えーしーぴー)
Advance Care Planning の略。将来の意思決定能力の低下に備えて、患者さまやそのご家族とケア全体の目標や具体的な治療・療養について話し合う過程(プロセス)のこと。
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ADL(えーでぃーえる)
Activities Daily Living(日常生活動作)のこと。食事、着替え、移動、排泄、入浴等生活を送る上で必要な行動のこと
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壊死(えし)
けが等による組織の挫滅や、病気による血管の閉塞で血流が途絶えることでその先の組織が死んでしまうこと。
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壊疽(えそ)
脱疽(だっそ)ともいう。組織に血がいかなくなり委縮・乾燥するものと、細菌感染で壊死したところが腐敗し、どんどん広がっていくものがある。糖尿病の足病変のように、気づかないうちに壊疽が広がり切断しなければならないことがある。
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エネルギー代謝率
運動時のエネルギーから安静時のエネルギーを引いた数値を基礎代謝エネルギーで割った値で、個人的な差を除いた運動(労作)の強さの指標となる。
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エビデンス
証拠、根拠のこと。近年は、各介護者の経験やコツに頼るのではなく、介護の手技にも、科学的な根拠のあることが求められるようになった。
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エリクソン
Erik Homburger Erikson(1902-1994)。1950頃に活躍したアメリカの心理学者。発達心理学として、誕生から死までの人間のライフサイクルを8段階に分類し、それぞれの時期での心理発達理論を提唱した。
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嚥下(えんげ)
食物・飲料を飲み込むこと
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嚥下障害(えんげしょうがい)
咀嚼機能障害ともいう。脳卒中などの後遺症や認知症、加齢などで、咀嚼機能や嚥下反射が障害された状態。むせや誤嚥がおこりやすくなる。
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円座
ドーナツパッド。褥瘡予防のために使われるが、かえって悪化を招くことがあるので最近は使われない傾向にある。
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エンゼルケア
死後のケア。死後硬直が始まる前に行われるからだ全体の清拭、体腔への脱脂綿詰め、手を合わせて組ませるなどのケア処置。ご本人の宗教や家族の気持ちを尊重して行う。
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塩素系消毒液
家庭用の塩素系漂白剤と同じ次亜塩素酸ナトリウムの溶液。ノロウイルス、インフルエンザ、細菌などに強い殺菌力をもつ。マスク、ゴーグル、ゴム手袋をし注意して使用する。強アルカリ性で、酸性の液体と混ぜると猛毒の塩素ガスを発生する。
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塩素系漂白剤
ほかの洗剤などと同時に使うと、猛毒の塩素ガスが発生し、吸い込むと死亡する可能性があるため「まぜるな危険」と表示されている。強い酸化力と殺菌力がある。主成分は次亜塩素酸ナトリウム。消毒、漂白に使う。
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円背
骨粗鬆症で背骨が変形し、背中が丸くなった状態。
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エンパワメント
人やグループが自分たちのもつ潜在能力を知り、意思決定や問題解決ができるように力を得ること、または力を引き出すこと。福祉においては、支援者が何でも代わってするのではなく、対象者(利用者)・グループが持っている力を引きだせるよう支援することが重要とされている。
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延命治療
治療をしても回復の見込めない患者に対して、人工呼吸や人口栄養をして生命を永らえる方法。
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応益負担(おうえきふたん)
受けた利益に応じて費用を負担する方式。(受けたサービスの量に応じて、費用を負担する方式)
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応能負担(おうのうふたん)
負担能力に応じて費用を負担する。(その人の負担能力(収入が多いか少ないか)に応じて、費用を負担する方式)
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黄疸
肝臓、胆嚢に異常があり、ビリルビンという物質が増加して肌の色が黄色くなる症状。眼球の白い部分が黄色くなってからわかることがある。
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悪寒(おかん)
ふるえを伴った寒けを悪寒戦慄という。熱の出始めに生じることが多く、高熱になってしまうとやむ。
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悪心
吐き気。嘔気ともいう。
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おくすり手帳
複数の医療機関から、同じ薬効の薬を重複してもらったり、薬効が打ち消し合う薬をもらったりすることを防ぐために薬の履歴をまとめた手帳。薬剤師が確認できるように、患者が一人一冊もち、違う薬局で処方された薬を含め、処方されたすべての薬を記載することが望ましい。スマートフォンアプリとして電子手帳もある。
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オストメイト
大腸や膀胱の病気で、ストーマ(人工的な排泄口)をもつ人のこと。
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オトガイ
頤と書く。下顎のこと。または、あご先。
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オブラート
錠剤や粉薬を包んで飲みやすくする薄い半透明のような膜。水に溶ける。薬の数が多い場合は、数個ずつオブラートに包んでまとめると、服薬しやすくなる。
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オープンクエスチョン(開かれた質問)
オープンクエスチョンは「○○に対してどう思いますか?」のようにさまざまな答えを引き出す質問法。自由に回答できる。反対に、「犬は好きですか?」など限られた答えを得るための質問法をクローズドクエスチョン(閉じられた質問)という。コミュニケーション障害のある人への質問法としては、クローズドクエスチョンが適している。
か行
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臥位(がい)
寝た姿。寝た状態のこと。仰向けの状態の仰臥位(背臥位)、横を向いた状態の側臥位、うつぶせになった状態の腹臥位(伏臥位)などがある。
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介護休業制度
育児介護休業法で定められている、介護を目的とした休業制度。介護休暇。要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回、通算日数で93日の範囲内で介護休暇を取得することができる。休業中は介護休業給付が支給される。
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介護給付
介護保険制度において、要介護認定を受けた被保険者に対して提供される介護サービス等を利用する際のサービス費として支給される。
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介護記録
介護職員が介護の内容、利用者の状態を記録するもの。利用者への継続的で一貫した介護のため、また介護はチームで行われるので情報の共有などを目的として作成されている。また、万が一訴訟等に発展した場合の証拠にもなる。一日の様子を記録する経過記録や食事摂取量や水分摂取量を記録するもの、排泄の記録をするものがあり、事業所によって様々。最近はタブレットやPCでの記録をする事業所も増えている。
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介護サービス
要介護、要支援の認定を受けた方が受けられるサービスのこと。
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介護支援専門員
ケアマネージャーとも呼ばれ、介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う職種のこと。
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介護職員初任者研修
介護における基礎的な知識・技術を習得するための研修。
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介護認定審査会
保健・医療・福祉の専門家で構成され、要介護認定の審査と判定を行う機関。市町村が設置している。
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介護タクシー
介護サービスの訓練を受けた運転手が要介護者を送迎するタクシーのことを指す
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介護付有料老人ホーム
主に民間の企業が運営している老人ホーム。要介護認定を受けている方でも、健康な方でも入居でき、選択の幅が非常に広いのが特徴。入居金0円~○千万円、○億円と価格帯も様々。
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介護福祉士
国家資格の一つ。高齢者、障害者の身の回りの支援だけでなく、その人らしい生活を実現するための力を必要とされる。介護の専門学校等の出身でない場合は、介護現場での経験(3年間)と実務者研修の取得が受験要件となっている。
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介護福祉士実務者研修
単に、実務者研修と呼ばれることが多い。介護サービスにおけるコミュニケーション技術や医療的ケアなど、介護職員初任者研修より専門的な知識・技術を習得するための研修。介護福祉士実務者研修修了は介護福祉士国家試験受験のための必須条件となっている。
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介護報酬
各種サービスに対する費用を厚生労働大臣の定めにより算定したもの。サービス提供事業者には、利用者負担の1割~3割を除いた分が支払われる。
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介護保険
高齢者を社会全体で支える社会保険方式の仕組み。それ以前の措置制度ではなく、利用者がサービスを選択でき、応益負担(サービスを使った分だけ費用を支払うこと)を特徴とする。
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介護保険審査会
被保険者代表、市町村代表、公益代表からなる第三者機関で、被保険者からの市町村の処分に対する不服申し立てを審議する。都道府県が設置する。
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介護予防
介護が必要となる要介護状態になることを防ぎ、改善を図ること。広く介護予防の知識を広めるための一次予防事業と要支援、要介護になるリスクの高い高齢者に対し、機能回復のための支援を行う二次予防事業がある。
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介護老人福祉施設
介護保険法上では介護老人福祉施設と呼ばれるが、老人福祉法上では特別養護老人ホーム(特養)と呼ばれている。入所定員30人以上。要介護者に在宅復帰をめざすサービスを提供するが、終の棲家(ついのすみか)としての役割も担っている。2015年の介護保険法改正により、要介護3以上でないと入所できなくなった。
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介護老人保健施設
老健と略されて呼ばれることが多い。在宅復帰をめざす要介護者が入所する施設。短期入所療養介護、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションを併設することもある。設置主体は主に医療法人。
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疥癬(かいせん)
ヒゼンダニが皮膚に寄生することで、かゆみや皮疹を生じる感染症。皮膚の下に疥癬トンネルを掘って棲みつき、洗浄に皮疹ができる。免疫の低下している人は重症化して感染力の強いノルウェー疥癬となる。
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改訂長谷川式簡易知能評価スケール
認知症の発見のために最も一般的に使われる検査のこと。簡単な質問に答えて得点数で判定する。MMSEよりも質問数が少ない。見当識、記憶など9項目からなり、30点満点で20点以下は認知症の疑いが高まるとされる。また認知症であることが確定している場合は20点以上で軽度、11~19点の場合は中等度、10点以下で高度と判定する。認知症の検査で行われる場合は10~15分を要する。
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ガイドヘルプ
移動支援
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海馬
大脳にある記憶などを司る部位。アルツハイマー病やうつで委縮する。
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下顎呼吸
死が近いときの呼吸。息を吸おうと努力してあごを下げるような呼吸をする。
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化学療法
がんや結核などの薬物療法をいう。複数の薬を組み合わせることもある(多剤併用)。抗がん剤は副作用が強く、嘔気や脱毛などを起こすことがある。
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下気道
上気道に対し、喉頭以下、気管、気管支、肺までをいう。
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核磁気共鳴画像法
MRI
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喀痰
痰を吐く(喀出する)こと、または吐いた痰のこと。病気の兆候として、痰に血が混ざったり(血痰)、量が多くなったりする。痰がからむとゼロゼロという音がする。痰を喀出しやすくすつためには水分の接種を促す。
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拡張期血圧
“下”の血圧。心臓が血液を全身に送り出した後に肺から血液が入ってきて膨らんだ(拡張)ときの血圧をいう。
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ガーグルベースン
うがい受けのこと。顔に沿うような形でカーブしている。ピンクや黄色のものが多い。最近は100円ショップでも購入できる。
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過呼吸(過換気)発作
精神的な原因で呼吸が多くなり(過呼吸)、血中の二酸化炭素が減り血液がアルカリ性になる(アルカリローシス)ことで、しびれやめまいを引き起こす。対処法として知られていた紙袋を口に当てて呼吸することは、勧められなくなってきている。
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ガス交換
肺で外界から取り込んだ空気から酸素を取り入れ、体内の二酸化炭素(炭酸ガス)を空気中に排出する、酸素ガスと炭酸ガスを交換するはたらき。肺の毛細血管で行われる。
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画像診断
レントゲン、CT、MRIなどの機器を使って、体内の様子を画像にして診断する検査。
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カタルシス
本来は抑圧された感情を解き放つ治療法を指していたが、最近では、面接やレクリエーション療法、遊戯、芸術的創作など緊張発散効果のある行為をよぶようになった。
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喀血
肺、気管支からの出血を吐き出すことをいう。咳とともに泡の混じった赤い血が出る。吐血は黒っぽい血になる。
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合併症
ある病気が別の病気を引き起こすこと。
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家庭血圧測定
正確な家庭血圧計を用い毎日、定期的に血圧を自己測定すること。白衣高血圧による不必要な降圧剤治療を避けることや、診察室での血圧が正常でも日常の血圧が高い仮面高血圧を見逃さないようにするために行う。起床1時間以内、排尿して朝食・服薬前と、就寝のいずれも安静時に測定する。日本高血圧学会では家庭血圧が135/85mmHg以上を高血圧としている。
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カテーテル
血管や尿道などから体内に挿入するチューブ。風船のように膨らむバルーンカテーテルは、抜けにくい利点のある尿道留置カテーテルや、動脈を広げるような治療に使われる。
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カニューレ
体内に挿入するパイプ状の用具。チューブともいう。気管に挿入する気管カニューレがよく使われる。
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カフ
空気が入る袋(バルーン)状の医療器具。人工呼吸器の気管切開チューブの先端についていて、誤嚥や空気漏れを防ぐ。
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仮面様顔貌(かめんようがんぼう)
パーキンソン病や顔面神経麻痺などでみられる仮面のように無表情な状態。顔面の筋肉が固まって動かないために起こる。
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カリウム
元素記号K。細胞内液に多く含まれる電解質成分で、細胞の浸透圧の維持、神経伝達に関わる。
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カルシウム
元素記号Ca。骨や歯に99%あって骨格の維持のほか、生体や細胞の機能に関わる電解質成分。
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加齢黄斑変性症
加齢に伴って、眼底にある視力に関する黄斑部分に異常が生じ、視力が低下していく疾患。
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カロテン
カロチンとも呼ばれるカロテノイド色素で、ニンジン、オレンジ、カボチャなどに含まれる。ビタミンAの前駆体で、小腸や肝臓の酵素反応によりビタミンAとなり、皮膚や粘膜組織の損傷を防ぐはたらきをもつ。
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カロリー
熱量の単位で、単位はcal。水を1℃上げるのに必要な熱量をいう。1,000cal=1kcalで、栄養学においては1キロカロリーを1カロリーとよぶ。
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肝炎
A型、B型、C型などウイルスによる肝炎、アルコール性肝炎などがある。A型は経口感染、B型、C型は血液感染。利用者の血液がついたものは感染のおそれがあるものとして扱う。
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眼窩
頭蓋骨にあいた眼球の納まる穴。
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寛解(かんかい)
病気の進行の過程で、発病し急速に悪化した状態より症状が落ち着いてきたり、症状がなくなった状態。治癒に向かう場合もあるが、再発する可能性もある。白血病などは、寛解と再発を繰り返すことがある。
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感覚器
外界からの光、音、におい、味など刺激を受け取る器官。五感である視覚は眼、聴覚や平衡感覚は耳、嗅覚は鼻、触覚は皮膚が担当する。
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眼球
視覚を司る感覚器。表面から、角膜、虹彩、水晶体、硝子体、網膜などからなり、視神経に続く。
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緩下剤
便秘の際に用いる、ゆるやかに便通を促す薬。
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間欠性跛行(かんけつせいはこう)
閉塞性動脈硬化症のために起こる歩行障害。足が痛くて歩けなくなるが、しばらく休むと回復しまた歩けるようになるのが特徴。
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看護要約
サマリー
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カンジダ
普段から人の性器や口のなかにいる真菌の一種カンジダ・アルビカンスなどが免疫力の低下した人に感染して起こる。口に発症すると鵞口瘡とよばれ、口内に白い苔のようなものがつき、容易に取れない。
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感情失禁
泣いたり笑ったりするほどのことでもない事柄に対し、泣いたり笑ったりすること。認知症の周辺症状(BPSD)やうつなどの精神疾患でみられることがある。
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感情鈍麻
感情の起伏がなく、悲しい場面や楽しい場面でも正常な感情反応の出ない状態のこと。統合失調症の陰性症状、うつ病、パーキンソン病などでみられる。
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眼振
意思とは関係なく眼球がふるえること。動いている電車から外を見ているとき、眼球が左右に振れているのを鉄道眼振という。病気では、弱視を伴う先天性のもの、内耳の障害によるものなどがある。
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関節可動域
ROM
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関節軟骨
関節は2つの骨が連結する部位で、それぞれの骨の先を覆い、骨同士が直接ぶつかって損傷しないようにするのが関節軟骨。長年使うことで摩耗して、変形性関節症に発展することもある。
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関節リウマチ
膠原病のひとつ。女性の発症が多く、症状として朝のこわばり感が出現する。全身のあらゆる関節が順に炎症を起こし、関節の変形、運動障害を起こす。
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含嗽(がんそう)
うがいのこと。
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汗腺
皮膚にある汗を出す器官。全身の皮膚に分布し、体温を調節するエクリン腺と、腋窩、陰部などにあるアポクリン腺がある。
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感染経路
病原体をもつ人からほかの人へ病原体が伝わっていく経路。①接触感染、②飛沫感染、③空気感染、④媒介物感染、⑤媒介動物感染がある。
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感染症
伝染病ともいう。細菌やウイルスなどの病原体が体内に入り、病気を引き起こす。
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感染症法
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」のこと。主な感染症を5分類している。
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肝臓
右上腹部にある消化器のひとつ。からだの化学工場といわれ、血液中の糖をグリコーゲンに変え、有毒物質を分解し、胆汁をつくる。“沈黙の臓器”ともいわれ、障害があっても自覚症状がほとんどない。再生能力が強く、切除しても残りが再生する。
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浣腸
便秘の解消や腸内容の確認のために、肛門から直腸、結腸に液体を入れること。
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陥入爪(かんにゅうそう)
巻き爪のこと。爪の両側が皮膚に食い込んだようになる。爪はもともと丸くなる習性があるため、歩行等で足裏から圧がかからないと、巻き爪になる可能性が高くなる。そのため、車いす使用者や寝たきりの人は巻き爪になる人が多い。
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鑑別診断
ある症状が出ているときに、考えられる疾患を除外していき、診断を確定すること。
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緘黙
器質的な障害がないのにしゃべらない状態。抗精神病薬の副作用である悪性症候群の症状のひとつ。
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管理栄養士
国家資格。厚生労働大臣の免許を受けて、食事を継続的に提供する施設での栄養指導・管理や、医療施設における傷病患者への栄養指導・医療を伴う給食の管理などを行う。
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還流
体内の循環で、血流やリンパ液が末梢から心臓に還ること。
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潅流
体内の循環で、血流やリンパ液が末梢にまで行きわたること。または、液体を流し込むこと。血管を通して薬剤を標的となる臓器に運んだり、臓器に潅流液という液体を流し込んで洗浄したりする。
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緩和ケア
終末期の利用者などに対して延命よりも苦痛の軽減を重視し、QOLの維持・改善をめざすこと。
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既往歴/既往症
その人がこれまでにかかった病気のこと。
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気管支
気管が左右2つの肺に分岐するところから始まり、肺に入ってどんどん分岐を重ね細くなり、肺胞で終わるまでの部分。
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機械浴
介護者の援助があっても入浴が困難な利用者に対して、入浴用の車椅子やストレッチャーに寝た状態で入浴する方法。
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気管支拡張症
気管支の壁の障害により、慢性的に気管支が拡張してしまう状態。咳、痰、血痰などがみられ、進行すると全身的に障害が発生する。
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気管切開
鼻や口からの呼吸ができなくなった人に、人工呼吸器を取り付けるためにのどに孔をあけること。声帯に空気が通らないので声が出なくなるが、スピーチカニューレを用いることで話ができるようになる。痰の吸引は、研修を受けた介護福祉士、介護職員等ができる行為。
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気管内挿管
緊急に気道確保をする場合や手術時などに口からチューブを入れ、人工的に換気をすること。
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利き手交換
脳卒中や外傷などで利き手が使えなくなった場合に、使えるほうの手で字を書いたり、実用できるようにすること。
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気胸
肺胞の一部が袋状になりそれがやぶれて、肺側の胸膜に穴があいて肺の空気が抜けてしまった状態。胸痛や息苦しさが起こる。やせた若い男性に多い。
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起居動作(ききょどうさ)
仰臥位から起き上がり、立つまでの一連の動作。ADLの自立の基本となる。
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起座呼吸
呼吸困難が起こったときに、仰臥位よりも座って上体を起こしたほうが楽になる呼吸。
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きざみ食
高齢者など噛み砕く力が弱くなった人のために、食物を細かく切って食べやすくしたもの。ミキサー食と比べ、食べる人にとっては形は変わっても何を食べているかがわかる利点がある。
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義歯
入れ歯のこと。食事を口から食べるために、義歯がぴったり合っていることが重要。夜は外して水の中に保管し乾燥を防ぐ。清掃の際は落として破損しないように洗面器などの上で洗ったり、洗面台にタオルを敷いて行うのが良い。
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義肢装具士
国家資格。手や足の一部を失った人のために義手、義足や機能障害を補うための装具を製作し、その人に合ったものに仕上げる仕事を行う。
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基礎代謝量
精神的・肉体的に安静な状態で生命維持のために消費されるエネルギー量のことで、成人は1日1,200~1,500kcalといわれる。
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基礎年金制度
国民年金を基礎とし、その上に、厚生年金、共済年金、国民年金基金、その上に厚生年金基金、確定給付企業年金などが上乗せされている制度。
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吃音(きつおん)
言葉が円滑に出なかったり、無音が続いたりする言語障害のこと。うつ状態においても、吃音の症状が出ることがある。
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気道
呼吸器の空気の通り道。鼻、鼻腔、口腔、咽頭、喉頭を上気道、気管、気管支を下気道という。風邪は、上気道感染。肺炎は下気道感染。
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気道確保
緊急時、呼吸を維持するために気道がふさがらないようにすること。まず、あご先を上げ後頭部を下げ後屈する。エアウェイという器具を使うこともある。
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キーパーソン
医療や介護の場では看護や支援の中心となり、本人の代わりに決定力をもつ人のこと。主に本人の家族や保護者があたる。
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記銘力
新しく物事を覚えること。短期記憶。認知症では、記銘力の障害が起こる。
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逆性石けん
塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウムなどの殺菌剤。普通の石けんとは逆のプラスイオンに帯電することから逆性石けんとよばれる。洗浄力はなく、ウイルスには効かない。
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ギャッチベッド
頭側と足側が上げ下げできるベッド。名称はアメリカ人医師ギャッチにちなむ。
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キャリア
保菌者。体内に病原菌をもっているが、病気が発症していない人。ほかの人にうつす可能性をもつ。
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吸引
吸引器を使って痰や分泌物を吸い出すこと。
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吸気
呼吸のうち、息を吸い込むこと。
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救急救命士
国家資格。医師の指示のもと救急救命処置を行う。救急車で傷病者を搬送する間、静脈確保、気道確保、アドレナリン投与などが行える。
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救護施設
身体・精神の障害をもち生活に困窮する人の日常生活を扶助する生活保護法に基づく施設。日常生活援助、リハビリテーション、就労支援、通所事業などを行う。
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吸入薬
ネブライザーなどの機器を使って口や鼻から吸い込む薬。喘息、肺疾患、鼻疾患などの薬がある。
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QOL
Quality of Lifeの略。生活の質、人生の質のこと。
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仰臥位(ぎょうがい)
仰向けに寝た状態のこと。仰臥位のままだと、肩甲骨や肘、かかとに褥瘡ができやすくなる。
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共感
コミュニケーション技術のひとつで、対象者の言葉に耳を傾け、心の中の状態を体験的に理解しようとすること。傾聴、共感、受容という段階を意識し、相手と向き合うことが必要。
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強迫
精神疾患のひとつ。自分ではおかしいとわかっている考えや行動を繰り返してしまうこと。手を何度も洗わずにはいられない潔癖症やガスの元栓を何度も確認してしまう行為などがある。
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行事食
四季折々の伝統行事や誕生日などの際に食べる食事をいう。旬の食材を使った料理や好物を採り入れるなどの工夫をこらしたもの。
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狭心症
心臓自体に酸素を供給する冠動脈が、何らかの原因で細くなった状態。胸痛が出現し、数分で消失する。放置すると心筋梗塞へ進行する可能性がある。
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胸水
肺を包む2枚の膜の間(胸腔)に存在する摩擦を減らすための液体。その量が炎症などで異常に増えてたまったものを胸水貯留という。
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強直
関節が固まってしまうこと。リウマチなどでみられる。
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起立性低血圧
急に立ち上がったときに血液が心臓より下の臓器にたまり、立ちくらみ、めまい、動悸、失神などの症状が出る。高齢者では薬の副作用によることもある。移乗介助をするときなど、体勢が変わった時は体調の確認をする。
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筋固縮(きんこしゅく)
パーキンソン病でみられる筋肉の動きの固さ。
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虚血性心疾患
狭心症、心筋梗塞など、心臓自体に酸素や栄養を供給する冠動脈が詰まったりして障害が起こる病態像。
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起立性低血圧
急に立ち上がったときに血液が心臓より下の臓器にたまり、立ちくらみ、めまい、動悸、失神などの症状が出る。高齢者では薬の副作用によることもある。
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近位/遠位
からだの中心から近いほうのことを近位、遠いほうを遠位という。たとえば、大腿骨の腰側は近位、膝側は遠位。
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菌交代症
腸内細菌をはじめ、体内には何も病気がないときでもたくさんの種類の最近が数のバランスを保って棲みついている。抗生物質を投与することにより、このバランスが崩れ、ある種類の細菌が異常に増え、病気を引き起こすこと。
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筋固縮
パーキンソン病でみられる筋肉の動きの固さ。
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筋電図検査
まひや筋力の低下の原因を探る検査。電極針を筋肉に刺す方法と電極を貼る方法がある。略称はEMG。
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口すぼめ呼吸
口をすぼめて長くゆっくり息を吐く(呼気)ことで、呼吸の効率を上げる方法。COPDの人のリハビリテーションによい。
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屈曲/伸展
関節を曲げることを屈曲、伸ばすことを伸展という。
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区分変更
要介護・要支援状態の区分の変更の認定を市町村に申請すること。認定の有効期限前に、要介護・要支援の状況が変化した場合に申請できる。
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くも膜
脳脊髄は、髄膜(硬膜、くも膜、軟膜)という3枚の膜に覆われているが、くも膜は、硬膜と軟膜の間にある膜。
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くも膜下出血
脳を守る硬膜、くも膜、軟膜の3枚の髄膜のうち、くも膜と軟膜の間に出血が生じる疾患。急激で初めて体験するようなひどい頭痛が最初の兆候となることが多い。早急な対応が必要である。
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クリティカルパス
入院から退院までの治療のスケジュール。検査、処置、リハビリテーションなどの予定が書かれ患者と共有される。
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グリーフケア
遺族などへの支援のこと。介護・看護職は利用者・患者へのケアはもちろんだが、その家族など周囲の人へのこころのケアも担っている。
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クーリングオフ制度
訪問販売や割賦販売などでの契約後、ある一定の期間に限り、無条件で契約解除ができる制度。
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グループホーム
介護保険では、認知症対応型共同生活介護という。認知症の人が少人数で共同生活を行うことにより、認知症の進行を遅らせることを目的とした施設。そのため、認知症グループホームとも呼ばれる。1ユニット9人までと決められており、顔なじみの関係が築ける。
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クロックポジション
視覚障害者の食事の支援の際に、物の位置を知らせる方法。時計の文字盤にたとえて、主菜は何時の位置、副菜は何時、のように伝えることにより、視覚障害者の自力での食事を促す方法。
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ケアカンファレンス
利用者に関わるケアサービス担当者と利用者・家族が参加して居宅サービス計画の内容を検討する会議のこと。サービス担当者会議ともいう。
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ケアプラン
居宅サービス計画。介護支援専門員(ケアマネジャー)が、要介護・要支援者の生活課題を解決するために作成する計画。
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ケアマネジャー
介護支援専門員のこと。介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う職種のこと。
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経管栄養
口から食事がとれない場合に鼻や胃に管を通して栄養を補給する方法。胃に管を通す場合は手術により胃瘻(いろう)をつくる。
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経口感染
口から病原体のついた食物を摂取することでの感染。細菌による食中毒やA型肝炎などの感染形態。
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経口持続腹膜透析
CAPD
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経口電解質補正液
脱水などで体内の水分、ナトリウム、カリウムなどの電解質のバランスが崩れているときに、口から飲むことで補正することができる。マグネシウムやリンなども入っていることがスポーツドリンクとの違いである。とろみがついているものもあり、高齢者には飲みやすい。
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経口ブドウ糖負荷試験
75gOGTTという。主に糖尿病を診断するときに行われる検査。空腹時の血糖値、75gのブドウ糖を飲んで1時間後、2時間後の血糖値を測る。
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経口補水液
水に食塩とブドウ糖を溶かした電解質溶解液で、脱水状態を予防・改善する治療にも使われる。略称はORS。
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痙性麻痺
脳卒中の初期に起こる後遺症で、筋肉が緊張して固まった状態。拘縮につながる。
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傾聴
カウンセリングやコーチングにおけるコミュニケーション技術のひとつ。ただ聞くのではなく、相手に共感しつつ、話を遮ることなく聴くこと。コミュニケーションの技法として、傾聴、共感、受容という段階を意識し、相手と向き合うことが必要とされている。
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経皮内視鏡的胃瘻造設術
誤嚥性肺炎の危険などから口から食べることができない人に、腹部に孔をあけ胃にチューブを通してそこから栄養剤を注入する栄養補給法。注入時には上体を起こす姿勢が望ましい。略称はPEG。
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軽費老人ホーム
老人福祉施設のひとつ。有料老人ホームより利用費が安いことから軽費という。A型、B型、ケアハウスがある。
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傾眠
刺激をすると目を覚ますが、放っておくと眠り込んでしまう状態。意識障害や睡眠障害で起こる。
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契約締結審査会
日常生活自立支援事業で、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者などで判断能力が不十分な人が福祉サービスを利用する際に、契約内容や本人の判断能力などの確認を行う。
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痙攣
ひきつけのように、筋肉の不随意的な収縮が発作的に起こること。
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下血
消化管での出血が肛門から排泄されるもの。胃や十二指腸での出血は消化液により変色してタール便となる。大腸からの出血は赤みがある。
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血圧
血液が血管にかける圧力。血圧が高いほど、血流の勢いがよく、血管を傷つける可能性がある。傷ついた血管は動脈硬化になりやすい。
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血液一般検査
採血をして、赤血球、白血球、血小板の数などを調べ、機能に異常がないかをみる検査。
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血液ガス分析
動脈血ガス分析
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血液凝固検査
血が固まりにくくないか、出血しやすい傾向にないかを知るために、耳たぶを小さく傷つけ出血させる検査や、採血して血液を凝固させる成分を調べる検査などがある。
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血液検査
採血をして、血液からからだの状態を調べる検査。血液一般検査、血液凝固検査、血液生化学検査、腫瘍マーカーなどがある。
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血液生化学検査
採血をして、血液に含まれるさまざまな成分を化学的に分析し異常がないかをみる検査。肝機能、腎機能、脂質代謝、電解質などを調べる。
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結核
結核菌による感染症。肺結核だけでなく、腎臓、腸、喉頭、皮膚結核などさまざまな臓器の結核がある。脊椎カリエスは骨に発症した結核。かつては国民病といわれていたが、ストレプトマイシンの普及により激減した。近年、再興感染症として警戒される。
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血腫
内出血した血液がたまったもの。転んだときに頭を打って起こる硬膜外・硬膜下血腫などがある。
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血漿
血液から血球(赤血球、白血球、血小板)を除いた液体成分で、血液の約半分を占める。採血した血液に抗凝固剤を入れ、遠心分離させることで、上澄みとなり採取できる。
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血清
血液を試験管などに入れ放置したときに、沈殿した赤い血球成分の上澄みにできるうす黄色の液体成分。血漿から線維素原と凝固因子を除いたもの。
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血便
赤い血が付着しているか混じっている便のこと。大腸の肛門に近いところからの出血の場合が多い。
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血栓
血管内で血液の成分が固まったもの。血流に乗って移動し、細い血管で詰まり、さまざまな障害を発生させる。
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血痰
血の混じった痰。呼吸器系の疾患が疑われる。
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ケリーパッド
ベッドに寝たままで洗髪ができるゴム製の用具。
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幻覚
脳の疾患、精神的な障害、薬物中毒などでみられる。あるはずのないものを見たりする。
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健康の定義
WHOによって、「健康とは、完全に、身体的、精神的および社会的によい(安寧な)状態であることを意味し、単に病気でないとか、虚弱でないということではない」と定義されている。
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言語聴覚士
国家資格。障害で言葉を失った人や言葉の発達の遅れがみられる子どもなどのコミュニケーション能力の回復、開発を支援する職種。また、嚥下障害にも対応する。略称はST。
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倦怠感(けんたいかん)
身体のだるさのこと。身の置きどころがないなどと表現される。病気や薬の副作用が原因のことがある。
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見当識障害(けんとうしきしょうがい)
失見当識ともいう。見当識とは、自分が今いる場所、時間、状況の認識を指す。それらが失われてしまい混乱している状態を失見当識、見当識障害という。認知症や脳卒中などでみられる。認知症においては中核症状の一つとされている。
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現病歴
いまかかっている疾患が、いつどのようして始まり、どのような経過をたどっているかということ。
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権利擁護
アドボカシー
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降圧剤
血圧を下げる薬。カルシウム拮抗剤、利尿剤などがある。自分の判断で勝手に服薬をやめたりすると、急に血圧が上がる危険があるので、医師の指示どおりに服用することが大切。
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交感神経系
副交感神経とともに自律神経を構成する末梢神経でからだ中に分布する。交感神経が興奮すると血圧が上昇し、心拍数が増加する。
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後期高齢者
75歳以上の高齢者をいう。後期高齢者医療制度の対象。
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口腔ケア
口腔内を清潔に保つために、うがいや歯みがき、義歯の手入れなどを行うこと。うがいにより口の中に残った食物を出すことができ、歯ブラシではの表面のほか、歯間、上あご、舌をやさしくブラッシングすることで、虫歯や歯周病を防ぐことができる。口や舌を動かすことで嚥下機能の低下を防ぐケアも指す。
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合計特殊出生率
一人の女性が一生のうちに産む子どもの数の平均。現在の日本では、低迷が続いている。
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高血圧(しょう)
収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上をいう。血圧が高いと、血管を流れる血流の勢いがあるので、血管が枝分かれしているところなどに傷をつくりやすく、それが動脈硬化の原因になる。
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抗原
体内に入った異物のうち、抗体をつくり免疫反応を引き起こす物質。免疫反応で異物は体外に排出される。アレルギーは特定の抗原に対して過剰な免疫反応を起こすこと。
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膠原病
リウマチ熱、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの総称。それらの疾患では、膠原線維が同じような変化を示す。
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抗酸化作用
ホメオスタシス(恒常性)を見出し、老化、動脈硬化、がんなどを引き起こす物質である活性酸素にはたらきかけ、からだを守る作用。
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高次脳機能障害
頭部外傷や脳卒中などで言語、認知、行為、知的能力など高次の脳機能(高次脳という脳があるわけではない)にダメージを受けると、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、行動障害が現れる。一見すると障害のない人と同じような印象を受けるが、集中力がなくなった、記憶ができない、突然怒り出すなど仕事や生活に支障をきたす。
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拘縮(こうしゅく)
関節が固まって可動域が制限されること。生活不活発病などで動かさないことにより拘縮が進む。
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甲状腺
首の中央にある蝶が羽を広げたような形の分泌腺。表面に上皮小体(副甲状腺)といわれる別のはたらきをする内分泌腺がある。
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抗体
体内に抗原が侵入したことにより、からだがつくり出す物質。これが体内にあるかどうかをみることで、アレルギーや病気の感染がわかる。
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叩打法
タッピングのこと。痰を出やすくするために、背中などを叩き、胸壁に振動を与える方法。
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高たんぱく食
たんぱく質の補給を目的とした食事。熱傷や骨折などによるたんぱく質代謝亢進状態や、肝硬変やネフローゼ症候群などによる低たんぱく血症の際にとる。
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巧緻動作
物をつまむ、ボタンとかける、箸を使う、書くなど、筋肉をコントロールして初めてできる細かい動作。作業療法の訓練になる。
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公的年金制度
国民皆年金制度のこと。老齢年金、遺族年金、障害年金の3つがある。働く世代が高齢者世代を支える世代間扶助を特徴とする。
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喉頭蓋
気管と食道の間にあり、飲食物が喉頭を通過するときに気管に入り込まないように動く蓋。
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口内炎
口腔粘膜に円形の白い潰瘍ができるもの。1週間ほどで治るが、一度に何個もできることがあり、痛みも強いので食欲に影響する。
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更年期障害
閉経をはさむ前後10年間に、女性ホルモンの変化で起こる。突然熱くなるホットフラッシュ、めまい、耳鳴り、動悸、血圧の変動、舌痛など自律神経失調症から、うつなどの精神症状まで、人によって症状や、その程度はさまざま。
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硬膜
脳脊髄は、表皮の下に頭蓋骨、脊椎骨に保護され、髄膜(硬膜、くも膜、軟膜の3枚の膜からなる)に覆われているが、硬膜はその一番外側の膜。くも膜は硬膜と軟膜の間にある膜。
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高齢化率
総人口に占める65歳以上の割合。社会の高齢化の進み具合をみる。日本では、少子化も進んでいることから、2013年には25.1%で4人に1人、2035年には33.4%で3人に1人が高齢者となる。
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高齢者医療確保法
高齢者の医療確保に関する法律。高齢者が適正な医療を受けられるようにすることを目的とする。
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高齢社会
高齢化率が14%を超える社会。21%を超えると超高齢社会となる。日本では1994年に高齢化社会(高齢化率7%)から高齢社会になった。少子化も進んでいることから社会保障制度崩壊の危機も叫ばれる。
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高齢者虐待防止法
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のこと。養護者(家族など)だけでなく、介護施設従事者などによる高齢者の虐待を防ぐための法律。
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誤嚥(ごえん)
むせや咳で食道に入るべき食物、唾液などが誤って気管に嚥下されてしまうこと。誤嚥性肺炎の原因になる。一度胃に入ったものが逆流して気管に入ることもある。食事の際と食後しばらくは上体を起こしておくことが予防になる。
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五感
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚のこと。
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股関節
骨盤をつくる左右の寛骨と大腿骨をつなぐ関節。寛骨臼のくぼみに大腿骨頭が入り込んでいる。転倒により骨折することが多い。
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呼気
呼吸のうち、息を吐きだすこと。
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小刻み歩行
パーキンソン病の症状で、歩幅が狭く足を引きずったような歩き方。
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呼吸器
鼻、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺からなり、ガス交換の役目をする。
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呼吸の測定
バイタルサイン(生きている兆候のこと)のひとつ。呼吸数は意識して変えられるので、利用者に測定していることを意識させないように、正確に1分間の呼吸数を数える。
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国際生活機能分類
ICF
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国民皆年金制度
すべての国民が国民年金制度に強制加入し、基礎年金給付を受ける制度。
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50音表
コミュニケーション障害のある人が、“あかさたな”の50音が書かれているボードを指で指す、目で追うなどして会話をする用具。
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個人情報の保護
2005年に個人情報保護法が施行され、職業上知り得た個人の情報を許可なく漏らすことが禁じられている。
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5W1H
情報、報告書の作成、連絡の場面での伝達を適切に行うためのポイント。①いつ(When)、②どこで(Where)、③誰が(Who)、④なぜ(Why)、⑤何を(What)、どのように(How)のこと。
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鼓腸
腹部膨満感と同様、おなかにガスが異常に発生する状態。薬の副作用の場合もある。
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骨格筋
運動、姿勢の保持、内臓の保護などの働きをする。横に筋が入ったように見えるので、横紋筋ともいう。細い筋線維がまとまって束になり、筋膜に覆われ、腱で骨につく。
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骨折
骨が折れた状態。屈曲骨折、圧迫骨折、粉砕骨折、解放骨折などに分類される。
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骨粗鬆症
骨量、骨密度が減少した状態。閉経後の女性での発症が多く、軽度の力によって骨折しやすい状態になる。
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骨代謝
骨はカルシウムの貯蔵庫だが、そのカルシウムが破骨細胞により体内に放出される骨吸収と、骨がつくられる骨形成が常に行われて新陳代謝している。
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骨盤
腰の骨。左右の寛骨、仙骨、尾骨が靭帯え固く結びついて骨盤をつくる。
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骨密度
骨塩量。骨の成分であるミネラル単位面積当たりの量。70%以下で骨粗鬆症といわれる。
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個別援助計画書
利用者が抱える課題を明確化した後、課題解決のために作成する計画書のこと。利用者の希望を尊重しながら介護の到達目標、具体的な介護内容、実施方法を盛り込む。
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こむらがえり
足がつること。腓とはふくらはぎのことで、寝ている間や運動後に腓腹筋が痙攣することが多い。脱水が原因のこともある。
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コレクティブハウジング
高齢者住宅で、キッチン、トイレ、浴室のついた居室と食道などの共有スペースをもつ居住スタイル。
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コレステロール
細胞膜を構成したり、ステロイドホルモン、胆汁酸の生合成の材料となるもの。人ではほとんどが体内でつくられている。食品から取り入れられたコレステロールを血管内に運ぶものを悪玉コレステロール(LDL)といい、中性脂肪を取りすぎると血管にLDLコレステロールが付着して動脈硬化の一因となる。コレステロールを排出して動脈硬化を防ぐコレステロールを善玉コレステロール(HDL)という。
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根拠に基づいた医療
EBM
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昏睡(こんすい)
意識障害の最重症のもの。痛み刺激を与えてもまったく目をあけない。外傷、心臓発作、脳卒中発作、糖尿病での昏睡など原因はさまざま。
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コンセンサス
合意形成。複数の関係者の意見の一致を図ること。
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コンピュータ断層撮影
CT
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コンプライアンス
医療においては、医師の指示を守って服薬すること。最近は、患者も治療に同意し、意思決定をしているという意味からアドヒアランスという用語が使われる。一般的には、法令、条例、通達および企業として求められる倫理・社会規範を全うすること。
さ行
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剤形
薬の製造工程では、薬効成分を用途によって投与しやすい形にする。錠剤、散剤、液剤、注射剤、カプセル、座薬、軟膏などがある。
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再興感染症
一時制圧されたが、再び流行し始めている感染症。結核が代表的。ほかに、百日咳、マラリア、ペストなどがある。
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在宅酸素療法
HOT
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在宅自己導尿の介助
自己導尿とは自力で排尿できない人が尿道口にカテーテルを入れて定期的に排尿すること。介護者の介助はカテーテルの準備、導尿時の体位の保持をする。
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在宅人工呼吸療法
呼吸器に障害があったり、神経疾患のために呼吸しにくくなった人が自宅にて人工呼吸器を使用して呼吸を確保すること。気管を切開する方法と気管にチューブを挿管する方法、非侵襲的なマスクを使う方法がある。
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在宅成分栄養経管栄養法
腸管は正常でも嚥下障害などで経口的に栄養を摂取できない人に対して、栄養成分を配合した流動食を鼻や胃瘻の管から摂取させること。
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在宅中心静脈栄養法
経口的に栄養をとれない人に対して、生命維持に必要な栄養素を配合した高カロリー輸液を、上大静脈に留置したカテーテルを通して入れること。
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細胞診
細胞が、悪性か良性かをみるために、注射針で吸引したり、外科的に組織を取り調べる検査。
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作業療法士
国家資格。身体や精神に障害のある人に対して、日常生活動作の再獲得や社会復帰に向けて、その人に合った作業を通して訓練を援助する職種。略称はOT。
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作話
記憶のないことに対して作り話をするが、それがあたかも本当のように思い込んでしまうこと。認知症の人の場合によくある。
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差し込み便器
尿・便意を感じることができる寝たきりの人に使用する便器。ゴム製、プラスチック製、ステンレス製など。厚みもいろいろある。
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サステイナブル
持続可能であるさま。将来の環境や次世代の利益を損なわない範囲で社会発展を進めようとする理念。
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サニタリー
キッチンを除く水まわりのこと。洗面所、浴室、トイレなど。
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サービス担当者会議
ケアカンファレンスともいう。利用者の介護に関係する介護支援専門員(ケアマネジャー)とサービス担当者、利用者・家族が参加して、居宅サービス計画の内容や利用者の状況を確認し、今後のサービスについて話し合うこと。
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サービス提供責任者
訪問介護事業所などで訪問介護職員を統括する責任者をいう。
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サービス利用票
1か月に利用した介護保険サービス内容や時間を記録したもので、介護サービス事業者から利用者に提出される。
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サマリー
看護要約。患者の基本情報、病名、療養に必要な看護情報などを要約した書類。入院、退院、転院の際に、家族や次の受け入れ先(病院、施設など)に提出される。
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坐薬
肛門、膣から入れる薬。
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白湯
一度沸騰させた湯をさましたもの。ゆざましともいう。
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サルモネラ中毒
サルモネラ菌による食中毒。腹痛、嘔吐、下痢が主な症状。体力のない人は重症になることがある。鶏肉、卵を介しての感染が多く、ペットや感染者の糞便から感染することもある。
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3-3-9度方式
意識障害の程度を測る尺度。ジャパン・コーマ・スケール(JCS)の別称。コーマは昏睡のこと。Ⅰ~Ⅲ段階、それぞれ3項目で判断することから、3-3-9度と呼ばれる。
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酸素供給器
在宅酸素療法(HOT)で使用される酸素を供給する機器。酸素の供給源としては、酸素濃縮器、液体酸素装置、酸素ボンベの3種類がある。
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酸素系漂白剤
過炭酸ナトリウム。穏やかな漂白力で色柄物も漂白できる。アルカリ性で、絹や毛には使えない。
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酸素濃縮器
室内の空気を取り込み、酸素を取り出して濃縮する装置。電気で動くので、停電のときは内臓バッテリのあるものが安心。災害時に備え携帯用酸素ボンベを用意する。火気に十分注意する。メンテナンスは供給業者が行う。
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酸素飽和度
動脈血のなかにさんそがどのくらい含まれているかを示す値(SpO2)。呼吸器に疾患をもつ人には、重要な意味をもつ。パルスオキシメーターで測ることができる。
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酸素ボンベ
在宅酸素療法(HOT)で、酸素の供給源として使用する。携帯用として使われることが多くなってきている。残量の確認、火気に注意する。災害時も供給業者が対応するが、予備の酸素ボンベを用意しておく。
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三動作歩行
自立度が低い人が杖を使って、常に杖と1脚の2点で姿勢を保持しながら歩く安定感のある歩行。
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残尿感
尿が出切らず、まだしたい感じがすること。前立腺肥大、膀胱炎、神経因性膀胱、尿路の病気の症状の可能性がある。
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残便感
排便してもまだ肛門に便が残っているような感じがすること。腸の病気や便秘の状態で起こる。浣腸や摘便も必要となることがある。
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ジェネリック医薬品
後発医薬品。最初に開発された薬ではなく、同じ成分で後から製造・発売された薬。薬の開発には莫大な資金が必要だが、後発医薬品はその費用がいらないため、販売価格を安くできる。
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ジェノグラム
家族図のこと。家族員の年齢、続柄、学歴など、さまざまな家族員の情報をひとつの図にしたもの。
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支援費制度
身体障害者および知的障害者がサービスを選択し事業者と契約するシステム。市町村から支援費の支給を受ける。
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耳介
耳の穴より外側の部分。耳は、耳介、外耳、中耳、内耳からなる。
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時間毎薬
体内の薬の血中濃度を一定に保つために、6時間毎、8時間毎など決められた時間の間隔で飲む薬のこと。抗生物質などに多い。飲み忘れたときのことを薬剤師に確認しておくとよい。
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ジギタリス
強心薬。ジゴキシン、ラニラピッドなどの商品がある。副作用は、不整脈、嘔吐など。草花のジギタリスは猛毒があり、古くから薬用に使われていた。
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支給基準限度額
介護保険の被保険者が可能な限り公平に介護サービスを利用できるように設定された限度額。福祉用具購入費、住宅改修、区分支給限度基準額、種類支給限度基準額がある。
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糸球体
腎臓の腎小体(ネフロン)をつくる糸球のように丸まった毛細血管。ボーマン嚢に包まれている。糸球体の毛細血管には穴があいていてたんぱくと細胞以外の水溶液をふるい落として原尿にする。大きさは直径0.2mmで、腎臓ひとつのなかに150万個ある。
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止血
出血を止めること。軽い出血の場合は、まず出血部位を確認し、傷口が汚れていたら流水で洗い流した後、ガーゼなどで出血部位を圧迫する。
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耳垢の除去
介護職員ができる「医行為でない行為」。耳垢は自然と排出されるが、たまると耳が詰まった感じがしたり音が聞き取りにくくなるため耳かきや綿棒でやさしく除去する。固い耳垢は出血のおそれがあるので耳鼻科で除去してもらうこと。
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自己決定
自分のことを人任せにせず自分で決めること。
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死後のケア
エンゼルケア
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事故報告書
介護保険利用者の事故が発生したときに、事業者が市区町村に提出する報告書。事故の概要を正確、簡潔に記載する。家族への連絡も迅速に行う。
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自殺企図/自殺念慮
心理状態のひとつで、自分のことを殺したくなる状態。自分への攻撃、逃避、抗議がその主な原因とされる。
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支持基底面
からだが床に接している部分がつくる面積。足と足の間の幅が広く重心が低いほど、支持基底面が広い。ボディメカニクスの原理では支持基底面が広いほど安定する。
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脂質
脂肪のこと。コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸など。血液中の脂質の量が異常になった状態を脂質異常症という。
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脂質異常症(高脂血症)
メタボリックシンドロームのひとつ。以前は、高脂血症といわれていたが、LDLコレステロールと中性脂肪の増加に加え、HDLコレステロールの低下が問題であることがわかり、血液中の脂質成分が異常であることを示す脂質異常症とよばれるようになった。
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歯周疾患/歯周病
歯肉や歯槽骨などに炎症を起こしている状態。口臭や歯肉からの出血、歯が抜けるなどのほか、心内膜炎や糖尿病など全身に影響するので、治療が大切。
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自傷行為
認知症の周辺症状(BPSD)のひとつで、自分のからだを傷つけること。なぜそういう行為をしているかを理解することが解消につながる。
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自助具
障害があっても残存機能を活かし、なるべく自分で日常生活動作ができるように工夫された用具。
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自助グループ
健康増進のための勉強や活動をともに行うグループ。
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耳朶
耳たぶのこと。止血検査を行うときには耳朶を切開し、止血時間を測定する。
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舌ブラシ
舌苔など舌表面の汚れを取るためのブラシ。寝ている間に舌苔がたまるので、朝に掃除をするのが効果的。頻繁に行うと舌を傷つけるので1日1回程度にする。
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市中肺炎
施設や病院内で流行する院内感染症としての肺炎に対して、それ以外の場所で感染し発症する肺炎のことをいう。
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失禁
尿や便が漏れてしまうこと。また感情失禁は脳卒中後遺症や認知症で、怒りや悲しみの感情が普通より激しく出る状態。
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シックビル症候群
シックハウス症候群ともいう。建物のなかにいることで、めまい、頭痛、咳、のどの痛みが起こる。建材に含まれる化学物質などが原因となる。
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失見当識
見当識障害
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失行
失認とならび、脳卒中後遺症や認知症でみられる症状。ものの使い方がわからなくなったり、着衣失行といって服がうまく着られなくなったりする。
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失語症
脳の障害により、言語の理解および話すことが障害された状態。知能障害、精神障害によるものは除外される。
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実施評価表
介護実施後に計画どおり支援できたか、目標は達成できたか、方法はよかったかなどについて利用者の反応から評価して記入する書類のこと。
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湿疹
皮膚にできる炎症。皮膚が弱く乾燥しがちな高齢者がなりやすい老人性湿疹では保湿を心がける。免疫力、体力の低下した人は真菌による脂漏性湿疹にもかかりやすくなる。
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失認
目で見て何だかわからないが、触れればわかるなど、ある感覚ではものを認識できないことをいう。人の顔がわからない、ものの名前がいえないなどさまざま。脳卒中後遺症では、左半側無視、左半側身体失認等がある。
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指定介護療養型医療施設
都道府県知事から指定を受け、基準に達した病院・診療所。2018年3月に廃止予定。
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指定介護老人福祉施設
老人福祉施設のひとつ。介護保険での施設サービスを提供できる。
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自動採尿器
尿を自動的に吸引できる用具。尿意があったときに自分で採尿部分を当てて吸引することができる。
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視能訓練士
国家資格。眼科で検査や視力が低下した人のリハビリテーションをしたり、補助具のアドバイスをする。略称はORT。
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死の三徴候
瞳孔反応停止、呼吸停止、心停止を死の三徴候として死の判定に用いられる。
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市販薬
医薬品のうち、一般医薬品。OTC薬。処方薬に対して、薬局で買える薬。処方薬に比べて薬効が低いことから、副作用が少ない。
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死亡診断書
医師法に定められた形式で医師が書く患者の死亡を確認する書類。
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死亡届
死亡診断書または死体検案書とともに人が死亡したことを7日以内に居住市区町村役場へ届け出る書類のこと。
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社会参加支援施設
身体障害者社会参加支援施設。居宅に近い環境で、身体障害者の自立と社会参加を促進することが目的。
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社会資源
福祉のために使用するさまざまな制度やサービス。医療機器など物的資源、ボランティアなど人的資源を含む。
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社会福祉基礎構造改革
変化する福祉需要に対応するために行われる改革。社会福祉の量の拡大、社会福祉の質の向上、福祉援助を受ける立場の人の権利確保が基本理念である。
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社会福祉協議会
地域福祉を推進することが目的の社会福祉法人。市町村を活動の基本単位とする。
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社会福祉士
国家資格。社会福祉の専門職。身体、精神または環境上の理由により日常生活に支障が出た場合の助言、指導、援助を行う。
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社会福祉士及び介護福祉士法
社会福祉士および介護福祉士の資格、業務、役割を定め、質の向上を図ることによって福祉の推進をめざすことを定めた法律。
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社会福祉主事
社会福祉法において定義づけられている任用資格。都道府県や市町村に設置された福祉事務所で各種の業務を行う。
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社会福祉法
福祉サービス利用者の利益の保護と地域福祉の推進を目的に、社会福祉の理念や原則、社会福祉事業に共通する基本的事項を定めた法律。社会福祉事業法を改正・改称して2000年に公布。
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社会保険方式
年金制度で、被保険者が保険料を出し、それに応じた年金給付を受ける制度。これに対し、全額を税金で賄うことを税方式という。
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視野狭窄
視野欠損と同様、視野が狭くなる。緑内障では少しずつ欠けていくので進行するまで気づかれないことが多い。同名半盲も視野狭窄のひとつ。
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若年性認知症
特定疾患。65歳未満で発症する認知症。脳血管性、アルツハイマー型、レビー小体型、前頭葉側頭型など、65歳以上の認知症と同じ原因で起こるが、若いだけに社会的な影響も問題となる。
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視野欠損
視野が部分的に欠けた状態。加齢黄斑変性症や緑内障などの眼の病気や、眼や脳の血管が詰まることが原因となる。
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遮光保存
光により薬の成分が変化するため、光に当たらないように保存すること。遮光保存の必要のある薬は、眼薬などに多い。
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煮沸消毒
沸騰したお湯に浸け、15分以上煮沸し、細菌、真菌、ウイルスなどを殺菌する方法。
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シャワーチェア
入浴の際に使ういす。キャリーがついていて、段差がなければ、ベッドから座ったままで浴室に移動できるタイプのいすもある。
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シャント
通常とは異なるルートを通る血流の状態。一般的には人工透析で十分な血液量を得るために動脈と静脈をつなぎ合わせることを指す。皮膚の舌でつなぐ内シャントと皮膚の外でつなぐ外シャントがある。
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収縮期血圧
いわゆる“上”の血圧。心臓から血液が拍出されたときに血管にかかる圧力のこと。
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重症急性呼吸器症候群
SARS
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就寝前薬
眠前と書かれることがある。睡眠薬は、寝る前に飲むことで効果を発揮する。
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重積発作
発作が何度も重なって起こり、重篤な状態。てんかん、喘息などのときに起こることがある。
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住宅改修費
介護保険サービスのひとつ。高齢者が在宅で安全に自立した生活を送れるように、手すりの取り付けや段差の解消など住宅の改修をするために支給される。
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羞恥心
恥ずかしいと感じること。排泄のケアでは羞恥心に配慮する。
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揉捻法
マッサージをするときに、手を使ってもむこと。
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羞明
光を異様にまぶしく感じ、眼に痛みを生じる状態。角膜炎、白内障など眼の病気である場合が多い。
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粥腫
プラークともいう。アテローム性動脈硬化で、血管の傷ついたところにアテロームがたまり粥状のかたまりができる。
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縮瞳
瞳孔が小さくなった状態。明るいところでは、猫の眼のように瞳孔は小さくなるが、病気によるもの、縮瞳薬によるものもある。
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手段的ADL
IADL
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腫脹
炎症があり、腫れること。水分がたまって腫れる浮腫とは区別される。
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守秘義務
業務上知り得た情報を理由なく漏らしてはいけないという義務のことで、公務員のほか、医療関係者、福祉関係者に対して義務づけられている。
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受容
介護者でいう場合は利用者のいうことを評価せずにすべて受け入れること。患者でいう場合は自分にふりかかった死や障害などを運命として受け入れること。スイスの精神科医キューブラー・ロスによれば、死の受容には、①拒否、②怒り、③取引、④抑うつ、⑤受容の段階があるといわれる。
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腫瘍マーカー
血液を採取して、がんが産生する物質が血液のなかにないかを調べる検査。それぞれのがんにより物質の種類は違う。がんの有無が完全にわかるわけではないが、がんがわかっている場合は進行具合や再発の指標となる。
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受理面接
インテーク
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循環器系
体内で、酸素、二酸化炭素、ホルモン、栄養、老廃物、リンパ液などを運搬する心臓、血管、リンパ系をいう。
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准看護師
正看護師が国家資格なのに対し、都道府県知事により免許が交付され、医師、歯科医師、看護師の指示により看護を行う資格。
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消炎鎮痛剤
炎症を鎮めて痛みを取る薬。解熱鎮痛薬ともいう。ピリン系、非ピリン系、非ステロイド系などの種類がある。坐薬は速やかに鎮痛が図れる。
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障害者基本法
障害者の自立や社会参加の支援を目的に、その基本理念を定め、国・地方自治体の責務を明確にした法律。
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障害者自立支援法
障害者の地域生活と就労を進め自立を支援する観点から成立した。それまで、身体障害、知的障害、精神障害に分かれていた福祉サービスを一元化し、市町村が行うこととした。地域生活支援事業、サービスの整備のための計画の作成、費用の負担などを定めた。
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障害受容過程
事故や疾病などで障害を負った人が、その障害を受け入れ、新たに生活を築いていくまでの過程。ショック→回復への期待→悲嘆→防御→適応(コーンの障害受容過程)などさまざまな考え方がある。
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消化管
口から肛門までの管。口から摂取した食物を消化し、栄養素や水分を吸収し、便を形成して排便をコントロールする臓器。
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消化器
消化吸収に関与する臓器で、口、食道から肛門まで、および肝臓、膵臓を指す。
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消化酵素
消化を助ける物質。唾液、胃液、膵液、腸液に含まれる。炭水化物分解酵素、たんぱく質分解酵素、脂肪分解酵素がある。
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償還払い
介護保険制度において、最初に利用者がサービス費をサービス提供事業者に全額支払い、後から市町村に請求して払い戻しをするシステム。
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上気道
喉頭より上の気道。鼻、咽頭、喉頭。風邪は上気道感染症。
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小規模多機能型居宅介護
高齢者が住み慣れた地域で長く居宅生活ができるようにするため、登録した利用者に通所、ショートステイ、訪問介護を行う。登録定員は25人以下。
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常在菌
人体や環境に生息している微生物。普段は人と共存しているが、何かのきっかけで病気を引き起こすことがある。
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上肢/下肢
上肢は四肢のうち、上半身の手、腕のこと。下半身の脚、足は下肢。
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小腸
口側から、十二指腸、空腸、、回腸となり、盲腸のところで大腸とつながっている。内側はひだの上に絨毛が存在し、延べ面積にするとテニスコート一面分といわれ、栄養の吸収に役立つ。
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情動
怒り、悲しみ、喜び、驚きなど、何らかの反応として現れる一過性の感情のこと。
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常同行動
認知症の周辺症状(BPSD)のひとつで、同じ動作をし続けること。不安、ストレスからのことが多い。
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消費期限
保存が利かない生菓子や弁当に記載されているもので、表示された保存法で保存した場合に食べても安全な期限をいう。
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賞味期限
缶詰やスナック菓子など冷蔵または常温で保存が利く食品に記載されているもので、おいしく食べられる期限をいう。日本農林規格(JAS)法と食品衛生法によって定義されており、主に長期間衛生的に保存できる加工食品に用いられる。
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静脈
二酸化炭素を多く含む血液を心臓に運ぶための血管。動脈より太く、ところどころに弁があり、血液を心臓に還しやすくしている。例外的に肺静脈には酵素の豊富な動脈血が流れる。手の甲などに青く浮き出ている血管が静脈。
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静脈注射
薬剤を静脈に注入することで、消化器を介さずに体内に入れることができる。点滴も静脈注射。
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静脈瘤
静脈の血管にはところどころに弁があるが、その弁が壊れてしまったり、血液の量が増えたことで起こる静脈のこぶ。肥満、立ち仕事の人がなることが多い。
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上腕
腕の肩から肘までの部位。上腕二頭筋は腕を屈曲するときに働き、力こぶになる。上腕三頭筋は伸展するときに働く。
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初回訪問時記録
初回の訪問時に病歴、家族構成、介護状況、家屋の状況、ADL、サービス利用状況を記録する。
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食塩摂取量
1日に摂取する食塩の量をいう。日本人の1日の食塩摂取量は欧米と比べて高く11~12gといわれているが、2010年版「日本人の食事摂取基準」では男性9g、女性7.5gと設定された。高血圧治療のためには6gが目標値となっている。
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食間薬
胃のなかが空っぽになる食後2時間くらいに服用する薬。胃粘膜保護剤や漢方薬などで食間に飲むものがある。
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食後薬
食直後と食後30分と指示のあるものがある。胃のなかに食物が残っていることから、胃を荒らさずにすむ。吸収はゆっくりなので、効き目は遅い。飲み忘れが少ない利点がある。
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食事療法
高血圧や糖尿病患者が塩分制限やカロリー制限した食事をとることが症状の悪化を防ぎ、治療や予防になるもの。
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食生活指針
厚生労働省が国民一人ひとりの食生活改善の方針として策定したもの。「食事を楽しむ」「食事のリズムから健やかな生活のリズムを」「主食、主菜、副菜を基本に食事バランスを」「ご飯などの穀類をしっかりと」「野菜・果物・牛乳・乳製品・豆・魚なども組み合わせて」「食塩・脂肪は控えめに」などがあげられている。
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食前薬
漢方薬など、胃を荒らす副作用が少なく、胃に食物がないので早く吸収されることをねらって食前に飲む薬。
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褥瘡
皮膚の一部が持続的に圧迫されることで循環障害が発生し、皮膚と皮膚組織が壊死する状態。
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褥瘡予防用具
エアマット、ビーズパッド、クッションなど体圧を分散させる用具。ベッド上で使うものと、車いすで使うものがある。寝返りの打てる人では、あまりやわらかいマットにすると、自力での寝返りを妨げるので、選ぶときに考慮する。
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食中毒
細菌やウイルスにより引き起こされ腹痛、嘔吐、下痢(時には血便)を症状とする胃腸炎をいう。周りに同じ症状の人がいないかを確認し、感染を広げない対策をとる。
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食直前薬
食事の直前に服用する薬。糖尿病の薬で、商品名グルコバイ、ベイスン、セイブルなどは、食後の過血糖を抑える目的で食直前に服用する。
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食品交換表
糖尿病、腎臓病の患者が医師の指示に合った食生活の自己管理ができるよう、栄養価の同じ食品をば別な食品に交換できるように工夫してある。
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食品成分表
正式には日本食品標準成分表といい、日常的に食べられている食品中の栄養素の標準的な数値を記載したもの。可食部100g当たりの栄養素が示されている。
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食品添加物
食品の変質・腐敗防止(保存料・酸化防止剤)、味覚の向上(甘味料)、見た目をよくする(着色料)、栄養価の強化(ビタミン剤)などのために製造時に加えられるもので、天然由来添加物と化学添加物に分けられる。食品衛生法により規格・基準は決められている。
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食品表示
国民の健康生活の改善を目的に食品に表示されるもので、食品衛生法、JAS法などに規定されている。食品の名称、原材料(調味料、食品添加物を含む)、消費期限、保存方法、製造者名が一覧表になっている。
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食物残渣
口のなかにのこった食物のかすのこと。高齢者の場合、咀嚼力の低下や嚥下力が弱くなることが原因で残る。
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食物繊維
五大栄養素に加え重要な成分とされる。穀類、イモ、海藻、豆類などに多く含まれる、人の消化酵素では消化できない成分のこと。便秘の改善のほか、生活習慣病の予防に役立つことがわかっている。
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除細動
心臓の電気信号の乱れから心筋が細かく動き、正常な鼓動を打てない状態を、電気や薬物により取り除く方法。
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ショック
大出血や心不全などで、血圧が下がり、生命の危険に陥っている状態。
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ショートステイ
介護保険サービスのひとつ。30日までの短期入所のこと。短期間入所することで、家族の介護負担の軽減になり、本人も機能訓練などを受けることによって相互にリフレッシュできる。
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処方薬
市販薬と違い、医師が診察し、処方する薬。医療用医薬品。
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除脈
心拍数が1分間50回未満に落ちること。睡眠中などは除脈になる。不整脈でみられることがある。
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自立支援
支援を必要とする人が自分の意思で自分らしい生活を送れるように支援すること。介護における基本的な考え方。自立支援システムとして、自立支援給付と地域生活支援事業がある。
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自立支援医療
自立支援給付のひとつ。身体障害者手帳をもつ人と児童、精神疾患で通院している人を対象に、医療費の自己負担額を公費で負担し軽減する制度。
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自立支援給付
介護給付、訓練等給付、自立支援医療給付、補装具が含まれ、国、都道府県、市町村が費用負担する。
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自律神経
運動や感覚を伝達するのではなく、自動的にからだの機能を調節するはたらきをしている神経。末梢神経で、交感神経、副交感神経からなる。
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自立度の評価
自立とはほかの人の援助を受けずに身体的や経済的に自分の力だけで生活を営むこと。自立度を測る方法としては、日常的な生活動作を自分で行えるかを食事、排泄、移動、移乗、コミュニケーション、社会的認知について評価するFIM(機能的自立度評価法)がある。
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シルバーサービス
民間の事業者が行う高齢者対象の事業。在宅サービス、住宅、福祉用具、余暇活動などがある。
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シルバーハウジング
高齢世帯向けのケア付き公営賃貸住宅。バリアフリー、緊急通報システムなどを備え、生活援助員(ライフサポートアドバイザー)が常駐し、安否の確認、緊急時の対応、一時的な家事援助などを行う生活支援サービスなどを提供される。
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しろそこひ
白内障
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心エコー
胸部にプローブを当て心臓の大きさや弁の動きなどを知る検査。エコーは超音波のこと。
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心気
気持ち、心持ちのこと。自分が病気ではないかと心配するノイローゼを心気症という。
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心気亢進
動悸
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心筋梗塞
冠動脈が完全に詰まり、詰まった先の心筋組織が壊死する疾患。心機能不全となり、死亡することもある。
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神経系
中枢神経(脳、脊髄)とい末梢神経からなる。
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神経ブロック
神経をブロックすることで、痛みを取る方法。
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人工関節置換術
変形性関節症やリウマチなどで膝や股関節の損傷がひどい場合に、人工の関節を埋め込む手術。10~15年で交換が必要。
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新興感染症
かつては知られていなかったが、この20年間で新しく認識された感染症。エイズ、SARS、鳥インフルエンザ、腸管出血性大腸菌感染症などがある。
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人工甘味料
食品に甘みをつける目的で使われる甘味料で、天然には存在せず、化学合成によりつくられたもの。サッカリン、アルパルテームなど食品衛生法の指定があるもののみ使用されている。
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人工喉頭
喉頭がんなどで、声が出せなくなった際の発声法には食道式と人工咽頭を使うものとがある。人工咽頭には、電気式と笛式がある。日常生活用具として助成がある。
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人工肛門
ストーマ(ストマ)
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人工呼吸
自分で呼吸ができない人に、人工的に空気を送って呼吸を助ける方法。
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進行性核上性麻痺
特定疾患。難病で、小脳など脳の特定の部位の神経細胞に障害が生じ、眼球運動の障害、認知症、歩行障害などが生じる。
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新ゴールドプラン
1999年度で終了した高齢者保健福祉5か年計画。現在は、ゴールドプラン21.
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身上監護
認知症高齢者、知的障害者、精神障碍者など判断能力の不十分な人の生活の安定と人権擁護のため、成年後見制度など法律的な助言、相談支援を行うこと。
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寝食分離
寝たきりの状態であっても寝るところと食事するところは分けて、寝たきり状態を改善させる介護方法。
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心身症
発症や経過に心理的な要因が関係しているが、からだの機能や器質的な障害が起こり身体症状を呈している疾患。
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振戦
ふるえ。パーキンソン病の症状でもある。
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心臓
筋肉にできた袋で、なかに入っている血液をからだに送り出すポンプの役割をする。心臓自体が電気を発生して、その刺激で心筋を動かす。心臓に酸素を送るのは、冠動脈。
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腎臓
血液をろ過して、尿とからだに残す水分、電解質に分ける重要な臓器。ソラマメのような形で背中側に2個が対になっている。
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心臓マッサージ
心臓が止まっている人に対し、胸骨を圧迫することで、心臓を刺激し、動きを復活させる方法。
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身体拘束の禁止
介護保険指定基準において禁止の対象となる具体的な行為。省令基準により禁止されている施設は、①特別養護老人ホーム、②介護老人保健施設、③介護療養型医療施設、④短期入所生活介護事業所、⑤短期入所療養介護事業所、⑥特定施設入所者生活介護事業所、⑦認知症対応型共同生活介護施設(グループホーム)
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身体障害者手帳
視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、音声言語機能障害、咀嚼機能障害、肢体不自由、心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害、膀胱直腸機能障害、象徴機能障害、免疫機能障害、エイズ、肝臓機能障害の人で、障害程度の等級表や基準に基づき障害認定を受けた者に発行される手帳。手帳の提示によりサービス等が受けられる。
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身体障害者福祉司
身体障害者福祉法に規定される任用資格。身体障害者の福祉に関する事務、相談・助言を行う。福祉事務所や身体障害者更生相談所で業務にあたる。
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身体障害者福祉法
身体障害者の自立と就労の促進、身体障害者への福祉の増進を図ることを目的に制定された法律。
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身体障害者補助犬
身体障害者補助犬法に定められている。盲導犬、介助犬、聴導犬。
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心的外傷後ストレス障害
過酷な体験を受けた後、日常で急に恐怖感や無気力、戦慄が起こり、体験がフラッシュバックすることにより、社会生活が障害される状態。略称はPTSD。
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心電図
からだに電極を貼り、心臓が発する電気をとらえたグラフ。波形により不整脈、心筋梗塞、狭心症がわかる。
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心肺蘇生法
心臓が止まっている人に対し、心臓マッサージを行い、呼吸と心拍を取り戻す方法。
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心拍数
心臓が1分間に拍動する数。普通は60~80回。
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随意筋
自分の意思で動く筋肉。骨格筋。
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膵臓
胃の裏側にある、膵液という消化酵素を出したり、インスリンなどのホルモンを分泌する器官。
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水痘
水ぼうそう。水痘・帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)による感染症。子どもの頃にかかることが多いが、体力が低下する高齢者になって、体内に潜んでいたウイルスが勢いを取り戻して帯状疱疹を引き起こすことがある。
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吸い飲み
寝たきりの人がベッド上でこぼさずに液体を飲めるようにした用具。
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水分補給
高齢者はのどの渇きを感じにくくなったり、嚥下障害のために水分をとらなくなるので、水分不足に陥ることがある。こまめに水分をとるよう勧めること。
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水疱
水ぶくれのこと。湿疹ややけど、水虫などさまざまな原因で生じる。
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睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に発生する異常呼吸。睡眠中に舌が咽頭に入り込むため、一時的に吸気が止まる呼吸。起床時には発生しない。日中の猛烈な眠気の原因となる。肥満者に多い。
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睡眠障害
眠るのに時間がかかる入眠困難、ごく早朝や眠りの途中で起きてしまう中途覚醒、熟睡感がないことが症状。
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水溶性食物繊維
果物に含まれるペクチン、海藻類に含まれるアガロース、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、ごぼうやキクイモに含まれるイヌリンなどがある。コレステロールの吸収を防いだり、胃内で膨張して糖質の消化管吸収を遅らせることで血糖値上昇を緩和するといわれている。
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水様便
下痢のときの便の状態のひとつ。水のような便。大腸の水分吸収機能が障害されて起こる。脱水に注意し、水分と電解質を補給できる経口電解質補正液などをとる。
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スクイージング
肺理学療法といい、喘息などで痰がたまってしまった人のために患者の呼吸に合わせて手で胸郭を押し、痰を喀出しやすくする手技。
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すくみ足
パーキンソン病の人の歩行で、最初の一歩がなかなか出ないこと。出たと思ったらトトトトと速くなって止まれなくなる突進現象が起こる。
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スクリーニング
何らかの疾患の有無を検査によって振り分けること。
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スタンダードプリコーション
標準予防策。すべてのケアにおいて、感染症がなくても、血液、体液、汗を除いた分泌物、排泄物、傷のある皮膚を感染の可能性のあるものと考え、手洗い、手袋の着用などの予防策をとること。
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ステロイド
強い抗炎症作用があり、さまざまな炎症にとてもよく効く薬。免疫抑制作用もあり、膠原病やリウマチなどでも使用される。副作用も強く、素人が薬の増減をすることは危険で、医師によるコントロールが必要。特に、塗り薬は副作用をこわがって患者が自分で指示された量より少なくすることが多いが、悪化の原因になる。
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ストーマ(ストマ)
腸や膀胱の病気で肛門や尿道が使えなくなった人の排泄のために腹部に設ける排泄口。皮膚保護剤、フランジ、パウチからなる。パウチにたまった排泄物の廃棄のみならず、装具の装着も介護職員ができる行為。その際、皮膚のかぶれなどがないかも観察する。
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ストーマ(ストマ)の排泄物の処理
人工肛門、人工膀胱、ストーマは石けんで洗った手でゆっくり剥がし、内容物はトイレに流す。
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ストレッサー
体調不良、人間関係、仕事などストレスのもとになっている事柄。
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スーパーバイザー
熟練した指導者であり、実務に就く介護スタッフたちを陰から支え、助言や相談役、監督の業務を行う。
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スポンジブラシ
口腔ケアで、歯ブラシが使えない人の歯や歯ぐきを掃除するときに使う。
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スライドボード
寝たきりの人の体位変換を楽に介助するための板状の用具。
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スロープ
段差のあるところに据え付けて、段差を解消するための用具。
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生活援助
身体介護とともに介護職員の業務のひとつ。炊事、洗濯、掃除など高齢者の生活の手伝いをする。
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生活支援員
知的・精神障碍者、認知症高齢者の権利を擁護するために市町村の福祉協議会から派遣される専門職。日常生活の金銭管理、福祉サービスの提供を行う。障害者施設にいる生活支援員は障害者の日常の支援や相談事にあたる。
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生活習慣病
長期の生活習慣の積み重ねで発生する疾患。がん、心臓病、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがある。
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生活の質
QOL
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生活不活発病
廃用症候群ともいう。寝たきりやこもりきりで生活に活気がなくなることが原因で、からだの機能が衰え、精神的にも不安定になる状態。何かができなくなるとさらに活動しにくくなるなど、悪循環を引き起こす。褥瘡や拘縮などの症状が起こる。
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生活福祉資金
低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯を対象として、生活費などの貸し付けを行う。社会福祉協議会の業務。
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生活保護
資産や能力を活用してもなお生活に困窮する人に、必要最低限の生活を保障し、自立を促す制度。
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生活保護法
生活困窮者の保護、最低限度の生活の保障、自立支援を目的に制定された。
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生活歴
家族、仕事、学歴、戦争の経験など要介護者が今日に至るまでの境遇をなどを指す。生活歴を知ることは要介護者の気持ちに合ったよりよい介護につながると考えられている。
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性感染症
性行為によって感染する。B型肝炎、アメーバ赤痢、エイズ、梅毒、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋病などがある。略称はSTD。
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正常圧水頭症
脳脊髄液の流れが妨げられ、脳室に髄液がたまり、脳を圧迫することで、歩行障害、認知症、尿失禁が出る。
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精神安定剤
精神に作用して不安を除く、主に抗不安薬をいう。
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精神疾患の診断と統計マニュアル
DSM
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精神障害者保健福祉手帳
精神疾患をもち、長期に日常生活または社会生活に制約がある人のための障害者手帳。1~3級まである。
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精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
精神障害者の社会復帰、自立、社会参加を目的にするとともに、福祉の向上をめざした法律。
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精神保健福祉士
国家資格。精神科ソーシャルワーカーともいう。精神科医療機関などで、精神障害者の生活を支援し、社会復帰のための助言や家族の支援を行う職種。略称はPSW。
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成年後見制度
認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など、判断能力が不十分な人の後見人が財産管理、身上監護、権利擁護を本人に代わって行う制度。
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生命倫理
バイオエシックス。遺伝子工学、臓器移植、代理母出産など、医学の発展に伴い生じてきた生と死の問題を医学領域だけでなく社会の倫理的な見地から考えること。
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整容
洗髪、洗顔、歯磨き、爪切り、着替えなどにより身なりを整えて清潔を保つこと。生活のリズムをつくり、生きる意欲をもたせるためにも必要な行為。
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世界保健機関
WHO
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セカンドオピニオン
診断、治療を自分で納得して選択するため、最初にかかった医師だけでなく、別の医師の意見も求めること。
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脊髄
中枢神経のひとつで、背骨(脊椎)のなかにあり、脳と末梢神経をつないでいる。
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脊髄小脳変性症
特定疾患。難病で、運動や平衡機能を司る小脳が障害され、歩行障害、手のふるえなど運動障害が生じる。
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脊髄損傷
事故などで背骨(脊椎)を骨折・脱臼したことで脊髄が損傷すること。脊椎は首から腰まで32~35個あり、ひとつひとつから神経が出ている。上は腕から下は脚までその脊髄神経より下のからだの部位がまひすることが多い。
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脊柱
背骨のことで、7つの頸椎、12の胸椎、5つの腰椎、5つの仙椎、3~5つの尾椎からなる。このなかを脊髄神経が通っていてひとつひとつの椎骨から出ていく。
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脊柱狭窄症
特定疾病のひとつ。脊柱管が狭くなり、脊椎のなかに通っている神経を圧迫してしびれ、痛みなどの症状が出る。しばらく歩くと痛みが出て歩けなくなり、少し休むとまた普通に歩けるようになる間歇性跛行も特徴。
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脊椎圧迫骨折
骨粗鬆症などで骨がもろくなっている人が尻もちをつくことなどで、椎体がつぶれてしまった状態。腰痛があり、脊椎管狭窄症を伴うと、しびれや脚の痛みが現れる。しばらく安静にすることで治るが、長期臥床で寝たきりを引き起こさないよう、状態に応じて歩くなどのリハビリテーションをする。
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脊椎すべり症
つながっている脊椎が前後にずれて、前にすべったように見える。腰痛があり、脊椎管狭窄症を伴うと、しびれや脚の痛みが現れる。
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世帯
同じ住宅で生活を一緒に行う社会の最小単位のこと。近年は一人住まいが増えており、この場合を単独世帯という。
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舌下錠
薬の効果を速やかに出すため、舌の下に入れて溶ける成分を粘膜から吸収する薬。狭心症のニトログリセリンがある。咬んで飲み込んでしまうと吸収が遅れる。
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赤血球
酸素と二酸化炭素を運ぶ血液の成分。中央が凹んだ円盤状の形をしており、ヘモグロビンを多く含む。
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舌根沈下
意識障害があるとき、口の筋肉がゆるんで舌の奥がのどに落ち込むこと。気道を塞いでしまう。
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接触感染
病原体が人の手や指を介して伝わる感染経路。汚染された手でドアのノブを触ったり、トイレ介助の後に手を洗わず食事介助をするなどが原因で院内感染を引き起こすことが多い。
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舌苔
舌についた苔のようなもの。高齢者に多い脱水や口腔カンジダ症のような感染症などで起こる。黒いものや茶色いものもある。
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背抜き
移乗や体位変換の際、背中側の着衣を引っ張って、しわのないように整えること。褥瘡の予防になる。
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セミファーラー位
ベッドの頭側を仰臥位より15~30度上げた姿勢。上半身が下にずれやすいので膝の下にクッションを入れるなどして安定させる。仙骨部に圧がかかり褥瘡になりやすいので注意が必要。
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セルフケア
自分自身で健康管理を行うこと。
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前期高齢者
65歳以上を高齢者とするが、そのうちの65~74歳までを前期高齢者という。
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全身性エリテマトーデス
特定疾患。難病で、自分自身の免疫が自分のからだを攻撃してしまう自己免疫性疾患。頬に蝶の形をした発疹ができたり、関節炎、臓器障害など全身に症状が出る。ステロイドなどで治療する。略称はSLE。
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せんす折り
タオルやシーツをせんすのように折り込むこと。シーツ交換時では使ったシーツを折りたたむことで、新しいシーツに汚れがつかないようにできる。
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尖足
寝たきりの人が布団の重みなどで足が底屈し、つま先立ちのように変形した状態。歩けなくなるので、足を直角に保つようにプロテクターを装着するなどして予防する。
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喘息
アレルギー性の小児喘息と非アレルギー性の成人発症のものがある。咳、痰、のどがゼーゼー、ヒューヒューいう喘鳴が症状で、ひどくなると呼吸困難になり、死の危険もあるので早めの対処が必要。
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善玉コレステロール
HDLコレステロールのこと。コレステロールを排出するはたらきをもつ。肝臓でつくられ血漿における濃度が虚血性心疾患の発症と逆相関を示すことから善玉といわれている。
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蠕動運動
消化管(食道、胃、腸)がイモ虫のような動きをして食道、食塊を肛門の方向に向けて運んでいく運動。
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喘鳴
呼吸をするときに、のどの奥でヒューヒュー、ゼロゼロと音がすること。喘息や呼吸器の病気で気道が狭くなったり、痰が貯留することでなる。
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せん妄
一時的に精神状態に異常をきたし、うわごとを言ったり幻覚や幻聴が生じること。病気の悪化や、高齢者が入院したとき、認知症の症状としてよくみられる。
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前立腺肥大症
尿道を取り囲む前立腺が肥大し、尿道を狭めることから、尿の出が悪くなり、残尿感があるなど排尿に困難を生じる疾患。80歳以上の高齢男性の8割がかかる。完全に尿が出なくなる危険もあるので、注意が必要。
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前腕
腕の肘と手首の間の部分。前腕には、小指側の尺骨と、親指側の橈骨がある。
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躁うつ病
双極性障害ともいう。多弁、多動となり休息をとらなくても平気な躁状態とうつ状態を繰り返す。
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喪失体験
家族や大切な人の死、失業など、いままで身の回りに存在していたものを失う体験。高齢期に多く体験する。
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爪床
爪の下の部分の皮膚のこと。
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爪肥厚
爪が厚くなっている状態。爪白癬が原因のことが多い。足浴をして爪をやわらかくしてから切るようにする。
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側臥位
横向きに寝た体勢のこと。あおむけを仰臥位という。
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塞栓
血の塊、脂肪、空気、腫瘍の壊れたものが血管に詰まること。脳血栓や、肺血栓塞栓症など重大な事態になることがある。
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足浴
利用者にいすに腰かけてもらい、湯を入れたバケツで足を温める部分浴。入浴ができないときの清潔援助として清拭と組み合わせることもある。
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そけい部
鼠径部と書く。腹部とももの結合部分。大きな関節があり、大腿の運動を可能にしている。
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咀嚼
食物を歯で噛み砕き、舌で消化液である唾液と混ぜ合わせひと塊とする消化の最初の段階。
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咀嚼機能障害
嚥下障害
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ソーシャルワーカー
社会福祉士のこと。国家資格。障害のある人が日常生活を営むために相談、指導、福祉サービスについて助言する職種。略称はSW。
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粗大動作
巧緻動作のような細かい動作ではなく、おおまかな動作。ADLの自立に必要。
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措置制度
介護保険制度以前の老人福祉制度で行われていたように、利用者が受けるサービスを、市町村が決めていくこと。現在は、自己選択と自己決定、契約に基づいてサービスが提供される。
た行
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第1号被保険者
介護保険制度で市町村に居住する65歳以上の高齢者をいう。
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体位変換
自分で寝返りできない人の体位を介護者が変えること。同じ体位で寝ていると褥瘡や圧迫痛、内臓の機能低下などが起こりやすく、これを防ぐために最低2時間ごとに行う。
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体位変換器
寝たきりの人の体位変換を行う用具。エアマットの空気圧が電動で変わり体位変換するものと、スライドボードのように介助者が行うのを助ける用具がある。
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体温測定
体温とは外部の気温に左右されない身体の温度をいい、主にわきの下、口腔で水銀体温計または電子体温計で測定する。
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体格指数
BMI
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体幹
いわゆる胴体。身体のうち頭、上肢、下肢を除いた部分。
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代謝
栄養素を化学反応で合成して細胞やからだの成分にしたり、分解してエネルギーにするものと捨てる(排泄する)ものに分ける作用をいう。
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代謝異常
食事や酸素など外界から体内に取り込んで、エネルギーなど使いやすい形に変える代謝の機能に異常があること。代謝疾患には、糖尿病、痛風、先天性代謝異常などがある。
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大循環(体循環)
肺と心臓の間の循環である小循環(肺循環)に対し、心臓と全身の臓器・組織との循環をいう。
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帯状疱疹
からだの片側に帯状に痛みを伴う湿疹ができる。以前かかった水ぼうそうのウイルスが体内に残っていて、体力や免疫力が落ちたときに再び活動を始めることで起こる。
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対症療法
根本的に病気のもとを治す治療をするのではなく、いま出ている症状に対処する治療。風邪ならば咳止め、熱さましなど。
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耐性菌
抗生物質の乱用により変異を遂げ、抗生物質が効かなくなった微生物。院内感染の原因となることがある。
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大腿骨
ももの骨。人体で一番長い。近位では大腿骨骨頭で股関節をなし、遠位では内踝、外踝が2方に張り出し膝関節をなす。
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大腿骨頸部骨折
大腿骨頸部は股関節で骨盤と連結している大腿骨骨頭に続く細くなっている部分なので、骨粗鬆症の人の転倒などで折れやすい。
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大腸菌
腸内細菌のひとつで、普通の環境のなかにも生息しており、下痢を引き起こす。病原性の強いものに、腸管病原性大腸菌、腸管出血性大腸菌などがある。調理の際に加熱することで死滅する。
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大転子
大腿骨の近位端で大腿骨頸部と長い大腿骨体との境目の出っ張り。骨折しやすい。
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第2号被保険者
介護保険制度で市町村に居住し、医療機関に加入している40歳以上65歳未満の者をいう。
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代理受領方式
現物給付化のこと。介護保険では償還払いが原則であるが、利用者が支払いをしてから償還されるまでに時間がかかるので、市町村が利用者の代わりにサービス事業者に介護報酬を支払い、給付が行われたとみなす方式。
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多剤併用
たくさんの薬の組み合わせで治療の効果を上げる方法。がんや結核などで行われる。
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脱健着患
まひや拘縮などの要介護の衣服着脱の基本で、まひのない側(健側)から脱ぎ、まひのある側(患側)から着ること。これにより患側の動きを最小限にできる。
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脱水
体内の水分量が減った状態。過度の発汗、下痢、嘔吐、利尿薬の飲みすぎなどで起こる。痙攣、微熱、低血圧、頻脈、皮膚乾燥などの症状を呈す。電解質も失われることが多いので、水を飲むだけでなく、経口電解質補正液を飲むなど電解質の補給もしなければ悪化する。
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タッピング
のどに食物等を詰まらせた時に背中を叩くこと。背部叩打法ともいう。
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多尿
正常なときの尿量は1日1,000~2,000mL。3,000mL以上では多尿といえる。原因は、尿崩症、シェーグレン症候群など。糖尿病でも多飲多尿になる。
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多発性脳梗塞
脳の小さな血管が詰まる、小さい穴という意味のラクナ梗塞がたくさん起こる。認知症や、振戦、無動がみられるパーキンソン症候群などの症状が出る。
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ターミナルケア
終末期(治癒する可能性がなくなった患者を抱えた人の亡くなるまでの時期)医療ともいわれる。末期患者に対して身体的・精神的の苦痛をやわらげ、残された人生をできるかぎり有効に過ごせるよう家族も含めて援助すること。
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胆汁
肝臓でコレステロールからつくられる黄色の液体で、脂肪の消化を助ける。肝臓から絶えず流れ出す胆汁をためる袋が胆嚢。
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胆石
肝臓で作られる胆汁の成分が固まって、胆嚢や胆管に詰まったもの。右上腹部の強い痛み、悪心・嘔吐などの症状が出る。体外から超音波を当て胆石をくだいて自然に流す治療などがある。
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単独世帯
単身世帯。一人だけの世帯。
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胆嚢
肝臓の下にくっついていて、肝臓でつくられた胆汁をためて濃縮するなすのような形の袋。食物が十二指腸に入ると収縮して胆汁を十二指腸に排出する。
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たんぱく質・エネルギー低栄養状態
いわゆる栄養失調。やせ、腹水、肝臓腫大、免疫力の低下などをきたす。アルブミン値が3.5g/dL以下が低タンパク質状態を指す。高齢者では食欲不振の原因が歯にあることもある。略称はPEM。
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チアノーゼ
唇など皮膚が青紫色になること。もともと酸素含有量の少ない静脈血は青みがかかっているが、動脈血も酸素欠乏することでチアノーゼになる。呼吸器や循環器の異常が原因。
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地域支援事業
地域包括支援センターが行う、3つの必須事業(介護予防事業、包括的支援事業、指定介護予防支援事業)と、任意に行う介護給付等費用適正化事業、家族介護支援事業などの事業。
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地域生活支援事業
自立支援給付のひとつ。相談支援、コミュニケーション支援、移動支援(ガイドヘルパー)、日常生活用具の給付・貸与などの事業。
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地域包括支援センター
地域包括支援事業を行う機関。地域での介護予防ケアマネジメントを行うために設置された。
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地域リハビリテーション
高齢者や障害をもつ人が、住み慣れた地域でその人らしい生活が送れるよう、保健、医療、福祉、ボランティア、住民を含めた生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織が、リハビリテーションの立場から協力し合って行う活動。
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チェーンストークス呼吸
異常な呼吸のひとつ。ゆっくり浅い呼吸、深く速い呼吸を繰り返したあと10~20秒の無呼吸になる。高齢者では肺炎でなることがある。
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蓄尿バッグ
ハルンバッグともいう。尿道留置カテーテルで導尿をしている場合に使用する、尿をためるビニールの袋。袋のなかは菌が増殖し、感染しやすくなる。たまっている尿が逆流しないよう、袋を陰部より上にしてはいけない。
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チームアプローチ
多職種連携ともいう。違うサービスを提供する業者がチームを組んで問題の解決のための活動をすること。目標を業者間で共有することでサービスの質を高めることが可能になる。
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チームケア
保健、医療、福祉などの専門家が協働してそれぞれの専門性を活かしながら問題の解決にあたること。
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中核症状
認知症で脳が委縮、損傷したことが原因で起こる症状。記憶障害、見当識障害(失語、失行、失認)、実行機能障害をいう。認知症が進むことではっきりと現れてくる。これに付随して周辺症状(BPSD)がある。
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中心静脈栄養法
経口的に食事摂取できない場合の栄養補給を目的に、静脈から栄養素とエネルギーを含んだ輸液を投与すること。
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中枢神経系
神経系のうち、脳と脊髄からなる中枢部を指し、全神経の統合・支配などの役割を果たしている部分。末梢神経系が受けた刺激を受容し、応答指令を伝達する。
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中性脂肪
血液のなかにある脂質のひとつ。糖尿病、高血圧、心疾患のときに高くなる。正常値は50~150mg/dL。
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中途覚醒
睡眠障害の症状のひとつ。睡眠中に起きてしまい、再びすぐに眠りにつけない状態。
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中途障害者
事故や病気により、人生の途中で何らかの障害をおった人のこと。中途障害者が自分自身の障害を受容するには【ショック期】⇒【否認期】⇒【混乱期】⇒【努力期】⇒【受容期】という過程を経ていく。
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腸炎ビブリオ
夏に、アジ、イワシ、イカ、シラス干しなどの生の魚や貝を食べることで感染し、腹痛、嘔吐、下痢を引き起こす細菌。調理の際に、魚などを扱った包丁はよく洗い、まな板は、野菜に使用するものと別にするなどの注意をする。
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治療食
栄養素やカロリー制限のある糖尿病や腎臓疾患などの患者に対して医師の指示のもとに管理栄養士が献立を作成する。
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対麻痺
両下肢のみの運動麻痺がある状態のこと。脊髄損傷やギラン・バレー症候群でみられる。
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痛風
高尿酸血症が原因で起こり、足の親指の付け根の関節などに強く痛む発作的な症状が1週間ほど続く。予防にはビール、タラコ、サケ、納豆などに多く含まれるプリン体の摂取を控えること。
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杖
歩行を補助する用具で、T字杖、カナディアンクラッチ、ロフストランドクラッチ、四点杖など、その人に合ったものを選ぶ。杖のことを「ケイン」と呼ぶこともある。
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つなぎ服
精神障害や認知症で脱衣やおむつ外しなどの行動障害がみられる患者に着せる服で、ホックやファスナーに工夫があり、外しにくくなっている。身体拘束にあたるため、原則着用は禁止されている。
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低温やけど
湯たんぽ、ホットカーペットなど低温のものがからだに長く接触することで、皮膚深部までやけどの損傷が及ぶこと。認知症や糖尿病などで感覚障害がある人には注意が必要となる。
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低血圧(症)
収縮期血圧(いわゆる上の血圧)が100mmHg未満をいう。めまい、頭重感、動悸、疲れやすさなどさまざまな症状が出る。
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低血糖
血糖値が60mg/dL以下のこと。自覚症状があり70mg/dL以下でも低血糖と考えて糖分を補給すると良い。糖尿病でインスリンや血糖降下薬が原因だったり、空腹時低血糖といい食事をとらなかったときに起こることがある。手指のふるえ、動悸、顔面蒼白、頻脈、発汗、不安、強い空腹感などが起こる。さらに50mg/gL程度まで血糖値が下がると頭痛、かすみ眼、めまい、生あくびなどの症状があらわれ、さらに低下すると意識を失う危険性がある。
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ディスポーザブル
使い捨ての物品。感染を予防するために用いられる。ディスポグローブ(使い捨て手袋)などがある。
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手続き記憶
長期記憶の一種で自転車の運転などからだで覚えている記憶のこと。認知症の人でも、記憶していることが多いので、その人ができることを探すときに考慮する。
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てんかん
脳の電気的な信号が乱れ過剰に発射されることから起こる。突然、全身を硬直させ痙攣する発作や、失神、脱力などさまざまな発作のタイプがある。発作時は、冷静に周囲の安全を確認し、頭を押さえ下顎に手を当て気道を確保し嘔吐に注意し、おさまるのを待つ。舌を噛まないよう口に何かを突っ込むのは危険。
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頭蓋
頭の骨格。脳を納める脳頭蓋と顔の部分の顔面頭蓋がある。
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動悸
心悸亢進ともいう。心臓がドキドキすること。心臓の病気や自律神経失調症、薬の副作用で起こる。
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同行援護
視覚障害者の移動支援のこと。障害者自立支援法により、障害福祉サービスの自立支援給付費に定められている。
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統合失調症
精神障害のひとつ。妄想や幻聴、興奮などの陽性症状と感情鈍麻、無動、同じ行為を繰り返す常同的思考など陰性症状を呈する。以前は、精神分裂病といわれていた。
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糖質
いわゆる炭水化物のことで、イモや穀類、豆、果物に多く含まれる三大栄養素のひとつ。筋肉や脳のエネルギー源だが、摂取しすぎると肥満など生活習慣病の原因となる。
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透析
腎不全で腎臓の機能が衰えた場合に、からだの外で腎臓の代わりをする器械を通して血液を浄化し、尿毒症を防ぐ療法。
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疼痛
痛みのこと。がん性疼痛などの痛みを和らげる治療を緩和医療、またはペインコントロールという。
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導尿
自力で排泄ができない場合に、チューブを使って尿を排泄する方法。介護職員はできない行為だが、自己導尿で使用する物品を用意する、カテーテルを手渡すなどは介助できる。
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糖尿病
膵臓でつくられるホルモンで、体内の血糖値の維持にかかわるインスリンが体内でつくられない1型と、はたらきが十分でない2型がある。糖尿病のための食品交換表に則った食事制限や、インスリンを補充する服薬、自己注射でコントロールし、三大合併症を防ぐ。略称はDM。
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糖尿病性神経障害
糖尿病の三大合併症のひとつ。しびれ、こむら返りなどの感覚・運動神経障害、起立性低血圧などの自律神経障害、血管障害が原因の神経障害や糖尿病筋委縮などがある。特に、痛みを感じにくいことがあるので、訴えがなくても壊疽などの足病変や、低温やけどに注意する。
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糖尿病性腎症
糖尿病の三大合併症のひとつ。血糖が高い状態が持続することで糸球体が破壊されてしまうことから起こる腎臓障害。最終段階で透析療法に進む。
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糖尿病性網膜症
糖尿病の三大合併症のひとつ。網膜にある細い血管がもろくなって出血したり、詰まったりすることで新しく血管が出現し、網膜剥離を起こし失明の原因となる。
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動脈
心臓から出ている血管。ほとんどの場合、酸素を多く含む動脈血が流れるが、肺動脈だけは静脈血が流れる。
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動脈硬化
動脈の壁にコレステロールがつきくことで、こぶができ、血管が硬くなり弾力性がなくなる状態。血管が詰まり、狭心症や心筋梗塞、脳卒中の原因となる。
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特殊寝台
福祉用具のひとつで、ベッドのこと。背部または脚部の角度と、ベッドの高さが調節でき、転落防止用の柵が取り付けられるベッド。
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特定健康診断
メタボリックシンドローム対策として、2008年4月より導入された新しい健康診断。糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的とする。
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特定疾患
難病のうち、厚生労働省の難治性疾患克服研究事業の対象疾患で、130疾患が指定されている。
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特定疾病
介護保険において、40歳以上65歳未満の第2号被保険者が要介護認定を受けるための要件となる16疾病のこと。
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特定保健用食品
食生活において特定の保健目的で摂取するものに対してその摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品で、からだの生理学的機能に影響を与える成分を含んでいるもの。トクホと呼ばれている。
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特別給付
市町村特別給付ともいい、市町村独自によって行われる。その地域に必要と思われるサービスが行っている。おむつ支給や配食サービス、寝具乾燥サービスなどが代表的なもの。
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特別児童扶養手当
福祉の増進を図ることを目的に、精神、身体に障害のある20歳未満の児童に手当を支給すること。
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特別障害者
障害者のうち、次の特に重度の障害のある方をいう。・身体障害者手帳1級または2級の方。・精神障害者保健福祉手帳1級の方。・重度の知的障害者。・複雑な介護を受けなければならない方。など。
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特別障害者手当
特別障害者の福祉の向上を図ることを目的に、20歳以上の特別障害者に対して、必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給すること。
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特別徴収
介護保険料の徴収で、年額18万円以上の年金を受給している人では、公的年金などからの天引きによって行われること。特別徴収と言いながらも、この徴収方法が原則的に適用される。
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特別養護老人ホーム
身体または精神に著しい障害があり、介護保険で「要介護」の認定を受けた利用者が入所できる。食事、入浴などの生活支援のほか、療養上の世話を受けることができる。特別養護老人ホームは「老人福祉法」に定義されている。介護保険法上では「介護老人福祉施設」として定義されており、ほぼ同義語として扱われている。
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吐血
嘔吐して消化管から出血した血を吐くこと。
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ドーパミン
脳内で働き、パーキンソン病のときに減少し、無動緘黙、動作緩慢を引き起こす。
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ドライアイ
涙の分泌が悪くなり、眼が渇く、痛む、まぶしい、疲れ、異物感を生じる。角膜に傷がつきやすくなる。
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ドライシャンプー
寝たきりやベッド上安静の人の髪を、水を使わずに洗浄できるシャンプー。介護のほか、災害時などにも活用される。
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ドライマウス
口腔乾燥症のこと。高齢者では唾液の分泌が低下していることから、ドライマウスになることが多い。糖尿病や薬の副作用として現れる場合もある。
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とろみ
液体に粘り気のある状態をいう。さらさらした食材にとろみをつけることで食品がまとまって食道を通過しやすくなるので、誤嚥防止に役立つため、介護食でよく使われる。
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呑気
飲み込んだ空気が胃にたまり、徐々にその量が増えることにより、不快感や痛み、膨満感を引き起こす症状。ストレスの多い人、神経症経口の人などがなりやすいといわれる。
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頓服
高熱や喘息発作など症状が出たときに服用してすぐに効果を得る薬。
な行
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内旋/外旋
関節をからだの中心に向けて回すのが内旋、外側に向けて回すのが外旋。肩関節を例にとると、右腕を前に伸ばして左(からだの内側)に回すのが内旋、右(外側)に回すのが外旋。
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内転/外転
関節の動きのうち、からだの中心に向けるのが内転、からだから離すようにするのが外転。肩関節を例にとると、腕をからだの前にクロスするように回すのが内転。その腕を反対方向に回し頭の横に向けて上げるのが外転。
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内部障害
心臓や呼吸器など、からだの内部が疾患などによって障害された状態。身体障害者福祉法においては7種の内部障害が規定されている。
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内分泌
下垂体、甲状腺などの内分泌腺が血液やリンパ管にホルモンを分泌すること。人体を口から肛門まで穴のあいたちくわと考えると、体表面とちくわの穴部分は外であり、唾液などそこに分泌されるものは外分泌となる。
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難聴
外耳と内耳までの障害による伝音性難聴と、内耳から脳神経の障害による感音性難聴がある。高齢者では、高音のほうが聞こえにくい傾向がある。ゆっくりはっきり話すことが大切。
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難病
原因が不明で効果的な治療がない病気のことで、国は、難治性疾患克服研究事業や特定疾患治療研究事業で医療費を助成するなどの対策をとっている。
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軟便
便の性状。正常よりもやわらかく、水分量が80%以上のもの。泥状便、水溶便になるほど、水分が多くなる。
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にこごり
ゼラチン質の多い魚や肉を長時間煮た煮汁が冷えて固まったもの。この性質を活かして魚や肉と香味野菜をゼラチンで固めた料理のことも指す。
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ニーズ
生活課題ともいう。介護職員が支援する際に前もって知っておくべき、要介護者が生活するうえで支障となっている現状と問題点のこと。
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日常生活自立支援事業
認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など、判断能力が不十分な人が、地域において自立した生活を送れることを目的に、利用者との契約に基づき提供されるサービス。
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日常生活自立度判断基準
寝たきり度判定基準ともいわれ、障害高齢者のための判定基準(4ランク)と認知症高齢者のための判定基準(9ランク)がある。
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日常生活用具
障害者などの日常生活がより円滑に行われるための用具。
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日常的金銭管理
福祉サービスの利用や金銭管理、または書類などの管理が困難な高齢者などに代わり、地域の生活支援員が行うサービス。
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日内変動
一日のうちで、症状や体温、血圧などの数値が変化すること。たとえば、パーキンソン病は日内変動が激しく、普通に歩いていたかと思うと動けなくなったりすることが起きる。
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ニトログリセリン
狭心症の薬。商品名ニトロペン、ミオコール、バソレーター、ミリスロール、ニトロダームなど。舌下に投与したり、スプレー、貼り薬などある。
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入浴補助用具
安全、安楽に入浴するための用具、設備。シャワーチェア、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴槽内マットがある。
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ニューロン
神経細胞。核を含む細胞体、軸索からなり、グリア細胞がそれを取り巻いている神経単位のこと。脊髄を走るニューロンなど長さが数十cmに及ぶものもある。
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尿検査
腎臓の状態を知るための検査。1日の尿をためる24時間蓄尿、採尿カップに尿をとる検査がある。
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尿失禁
尿もれ。突然強い尿意が起こりトイレに間に合わない切迫性尿失禁、急に立ち上がったり、笑ったときなどにおなかに力がかかってもらしてしまう腹圧性尿失禁、膀胱の収縮力の低下等により尿が少しずつもれてしまう溢流性尿失禁などがある。
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尿道
尿路のうち、膀胱から尿の出口である尿道口までの間の管。女性は短いので、尿道口での感染がすぐ膀胱に至り膀胱炎になりやすい。
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尿道括約筋
蓄尿と排尿をコントロールする筋肉で、尿道の下部から尿道口に存在する。
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尿毒症
腎不全で引き起こされる症状。頭痛、昏睡、悪心・嘔吐などさまざま。血圧が高くなり尿道が減少する危険な状態。人工透析がされる。
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尿閉
膀胱に尿がたまっていて尿意はあるのに排尿できない状態。前立腺肥大で起こることもある。自己尿道をしている人もいる。
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尿量
1日の尿をためて量を検査する。腎臓や尿路に異常がないかをみる。尿は1日600~1,600mLが正常な範囲。多尿は2,500mL、乏尿は400mL以下、無尿は100mL未満。
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尿路感染
腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎など尿路に病原体が感染し、炎症を引き起こす。症状は、発熱、頻尿、排尿困難、血尿、腰の痛みなどがある。膀胱留置力カテーテルをいれている人は注意が必要で、予防のために高齢者には十分な水分の摂取と清潔を心がける。
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尿路結石
多くは腎臓で形成されて、狭い尿管や尿道を通るときに、背中から下腹部にかけての激しい痛みを生じる。
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任意後見制度
利用差が契約に必要な判断能力がある間に、将来、後見事務を行ってくれる人を事前に決めておく制度。
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認知症
記憶障害を中心として、失見当識があり、それが生活に支障をきたすもの。脳血管障害によるものとアルツハイマー病によるものなどがある。
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認知症の周辺症状
中核症状から引き起こされる。幻覚、妄想、暴言、暴力、歩き回り(徘徊)、不穏、せん妄の調整症状と、意欲の減退、自発性の低下、感情鈍麻、抑うつ状態、拒食などの陰性照明がある。略称はBPSD。
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微温湯
38℃程度の温度の湯のこと。訪問入浴介護の場合は微温湯にすることが多く、血圧や心拍数があまり増加せずからだの負担が少ない。
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ネグレクト
虐待のひとつ。人の支援がなければ、生活活動ができない人や子どもの世話を放棄すること。食事を与えない、清潔にしない、排泄の世話をしない、病院を受診させないなどの行為。
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寝たきり度判定基準
→日常生活自立度判定基準
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寝たきり防止
寝たきりとは脳卒中や骨折などの原因疾患が治癒した後も起き上がらずに1日中横になっていること。寝たきりの防止とは原因疾患が急性期を過ぎたら早期のリハビリテーションを始めることで、寝たきりになるのを防ぐ方法である。
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熱中症
からだが暑さに対処できず、体温が異常に上昇してたちくらみ、こむら返りから始まり、ぐったりする、悪心、嘔吐、意識障害となって死に至る。おかしいと思ったら、冷房の温度を下げ、すぐにからだを冷やし、水分を与え医師に伝える。
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ネブライザー
吸入器のこと。喘息や鼻の疾患で使われる。薬剤を霧状にして、鼻や口から吸入する。
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脳幹
中脳・橋・延髄を合わせたものの名称。生命維持のために重要な脳の部分である。
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脳血管障害
脳の血管が詰まったところから先に血液が行かなくなったり、組織が壊死する脳梗塞と、血管が破れて出血し脳神経が破壊される脳出血がある。
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脳血管性認知症
脳卒中の後遺症が原因の認知症で、実行機能障害が症状として目立つ。アルツハイマー型認知症を合併していることも多い。
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脳梗塞
脳の血管が詰まり、その先の組織が壊死して脳の機能に障害が出る。発症後早期の治療が重要。夜間におかしいと思えば、朝を待たずに救急車をよぶ。ろれつが回らない、からだの片側のまひ、ふらつき、眼の異常などが兆候。向井社脳軟化症といった。
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脳出血/脳溢血
脳の血管が破れて脳内に出血する。脳出血とくも膜下出血がある。
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脳卒中
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など脳血管障害の発作をまとめて脳卒中、卒中という。
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脳貧血
急に脳を流れる血液の量が減ったために起こる貧血。気分が悪くなったり、顔面蒼白、冷汗、四肢の冷感、失神が症状。鉄欠乏症の貧血とは別のもの。
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ノーマライゼーション
障害者と健常者とを区別することなく、社会生活をともにするのが本来の姿であるという考え方。そのための運動や施策なども含まれる。
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ノロウイルス
感染性胃腸炎の原因となるウイルスで、感染すると激しい腹痛、嘔吐、下痢を引き起こす。冬場に流行のピークを迎えることが、“冬の下痢”ともよばれる。汚染された食品からの経口感染や、完成した吐物、糞便が空気中に飛んで飛沫感染をするので、速やかな処理が必要。
は行
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肺炎
細菌、ウイルスなどによる肺の感染症。咳、痰、発熱、呼吸困難などが症状だが、高齢者では、明らかな症状が出ない場合もある。
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肺炎球菌ワクチン
高齢者の肺炎の原因となる肺炎球菌を予防するワクチン。効果は5年続く。保険が利かないが、自治体により補助金が出る場合がある。
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肺気腫
慢性閉塞性肺疾患(COPD)のひとつで、肺の一番細い気管支や肺胞が破壊され、呼吸困難の症状が出る。ばち状指、口すぼめ呼吸、ビール樽胸郭などがみられる。喫煙が主な原因。
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排菌者
感染症の潜伏期間を過ぎ、咳やくしゃみ、排泄物などで、体外に菌を排出している状態の人。
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肺結核
発症していても肺結核と気づかないことも多く、空気感染で集団感染につながることがある。予防にはBCGの接種が行われる。多くの抗生物質が効かない多剤耐性結核は治療が難しい。
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肺循環(小循環)
大循環(体循環)に対し、心臓と肺の間の循環。全身から心臓に還流した二酸化炭素が多く含まれた血液が肺動脈を通って肺に送られ、ガス交換を経て酸素が多く含まれた血液になって肺静脈を通って心臓に戻ってくる循環のこと。
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肺水腫
心不全などで、心臓から血液が拍出しにくくなると、肺から心臓にも流れにくくなるため、肺胞のなかに水(血漿)がたまり、溺れたような状態となる。
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バイタルサイン
生命兆候。からだの状態を示すもの。体温、呼吸数、血圧、脈拍数など。
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ハイムリック法
のどに何かが詰まって窒息しそうなとき、その人の後ろから手を回し、上腹部をこぶしで突き上げ、詰まった異物を吐き出させる方法。
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廃用症候群
廃用症候群とは過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な状態をさす。以前は、生活不活発病と言われていた。症状としては、筋委縮や関節拘縮、起立性低血圧、せん妄、褥瘡などがある。
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パーキンソン症候群
パーキンソニズムともいう。無動緘黙、振戦、固縮、仮面様顔貌、小刻み歩行などパーキンソン病にみられる特徴的な症状。レビー小体型認知症、ラクナ梗塞などでもみられる。
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パーキンソン病
振戦、無動緘黙、筋固縮、歩行障害が特徴の脳神経変性疾患。原因はよくわかっていない。前かがみの姿勢で、歩行の第1歩が踏み出せず、小刻みに足が出て止まれなくなるすくみ足歩行、小刻み歩行、突進歩行がみられる。1日のうちで症状が出たり出なかったりする日内変動がある。
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白杖
盲人用安全杖。主に視覚障害者が安全のためにもつ、シャフト部を白く塗った杖。
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白癬
水虫のこと。白癬菌という真菌(カビ)が原因。高温多湿を好む。感染している人とは足拭きマット、スリッパなどを共有しないようにする。選択物を分ける必要はない。
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白内障
しろそこひともいう。高齢者で多く、角膜の裏側にある水晶体が白濁し、かすみ目、視力障害が生じる。眼内レンズを挿入する手術が日帰りでできる。
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跛行
片足を引きずったり、歩くのに障害が出ること。
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白血球
血液中の血球成分のひとつで、顆粒球、単球、リンパ球に大別され、感染からからだを守ったり、免疫機構にかかわる。
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発達課題
次の発達段階に移行するために獲得しなければならない課題のこと。精神分析家エリクソンによると老年期では、自分の人生を許容すること(統合性)と人生を悔いること(絶望)が対立し、そこから英知が導かれる。
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鼻マスク
人工呼吸で使う鼻につけるマスク。口まで覆わないので、食事や会話ができる。
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パニック障害
満員電車や広場など人がたくさんいる場所で突然、呼吸困難、動悸、胸痛などの発作が出て、死ぬのではないかという恐怖に襲われる。一度発作を起こすと、同じ状況でまた起こすのではないかという予期不安を感じる。
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バリアフリー
障害者、高齢者、妊婦、幼児など、社会的支援が必要な人たちが生活活動の支障となるものを取り去り、ほかの人々と同じように生活できる環境のこと。
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パルスオキシメーター
血液中の酸素の濃度を、指の先に挟むことで簡単に測れる機器。介護職員が利用者に装着してよい行為。酸素飽和度が低いと、血液中の酸素が足りていないことになる。その人の普段の値を把握しておき、それより低い場合は医療職に連絡をする。
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ハルーンバッグ
蓄尿バッグのこと。
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バーンアウトシンドローム
燃え尽き症候群のこと。
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バンコマイシン耐性腸球菌
抗生物質のバンコマイシンが効かない腸球菌。体力、免疫力の低下した高齢者では、尿路感染症の原因となることがある。
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半側空間無視
脳卒中などで脳が損傷を受けた側とは反対側にあるものが見えなかったり、認識できない状態。右の脳に出血があった場合、左側に置かれた食べ物を残したり、左側からよばれても反応しない。同名半盲を伴うことがある。
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ピアカウンセリング
もともとの意味は障害をもつ人同士がカウンセリングをすることで問題を解決することであったが、現在では障害にとどまらず、不妊や不登校など同じ悩みを抱える人同士で行われるカウンセリングをいう。
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皮下出血
毛細血管が破れ、皮下に微量の血液がしみ出した状態。紫斑ともいう。打撲の後に紫色になるようなものを斑状出血、点々と小さい赤い点が散らばるのを点状出血、高齢者に出るものを老人性紫斑という。ワルファリンを飲んでいる人にも出やすい。
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非言語的コミュニケーション
言語以外のコミュニケーションのこと。身振り、しぐさ、表情、絵カードなどを使う。
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非ステロイド性抗炎症薬
消炎鎮痛剤のひとつ。NSAIDs(エヌセイズ)ともいわれる。高齢者では、変形性関節症で処方されていることが多い。
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ヒゼンダニ
疥癬を引き起こす寄生虫。肉眼では見えないほど小さい。手や指の間、わきの下、外陰部などの皮膚のなかにトンネルを掘り、卵を生みつける。
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ビタミン
体内では生合成できないため食事から摂取する。生殖、成長など生命を維持するのに必須の有機成分。脂溶性ビタミンと、水溶性ビタミンに分けられる。
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ピック病
認知症のひとつで、人が変わったように自分を抑えきれず、反社会的行動をしたり、自発性や意欲の低下を呈したりする。
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必須アミノ酸
たんぱく質を構成している20種類のアミノ酸のうち体内で合成できない9種のアミノ酸(ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン)のこと。
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泌尿器
尿の産生および排尿に関係する器官。腎臓、尿管、膀胱、尿道からなる。
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微熱
体温37℃以上38℃未満の持続する熱のこと。高齢者の場合は、熱が出にくいので、微熱でも注意する必要がある。
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皮膚搔痒症
皮膚が乾燥して、かゆくなる症状。特に高齢者でかゆみが出るものを老人性皮膚搔痒症といい、冬になり寒く乾燥すると増える。保湿を心がけ、医療職の指示により尿素などの薬で対処する。
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飛蚊症
視野に糸くずやゴミが現れ、蚊が飛んでいるように見える症状。目の動きにつれ、飛んでいるものも動く。高齢者に出やすい。網膜剥離が原因のこともある。
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飛沫感染
感染経路のひとつ。病原体を含む咳やくしゃみのしぶきを吸いこむことによって感染が起こる。飛沫感染で感染するのは、インフルエンザ、肺炎、風疹、おたふくかぜなど。
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肥満
BMI25以上。皮下脂肪型肥満より、内臓に脂肪がたまる内臓脂肪型肥満が問題。心不全、高血圧、脂質異常症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などの危険因子となる。
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ヒヤリハット
要介護者に対して事故になりかねない事例や危険が及びそうになったことをいう。「ひやり」とした場面、「ハッと」した場面なので、ヒヤリハットという。それらの事例は起こした人を責めるのではなく、原因を追究し、二度と起きないようにすることで今後の事故防止に役立てる。インシデントともいう。
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日和見感染症
環境や人体には普通に微生物が生息し、ほかの生物と共存している。これを常在菌という。体力、免疫力が低下したときに常在菌に感染することをいう。
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頻尿
尿量が増加したり、膀胱容量が減ったり、過敏になったりすることで、排尿が頻繁に起こる状態。特に夜にひどくなるものを夜間頻尿という。
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頻脈
1分間に100回以上の心拍数がある状態。正常は50~70回。心拍数は、運動をしたり興奮したりしても上がるが、不整脈により上がる場合もある。
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ファーラー位
半座位。ベッドの頭側を仰臥位より45度上げた姿勢。上半身が下にずれやすいので膝の下にクッションを入れるなどして安定させる。また、仙骨部に圧がかかり褥瘡になりやすい。頭や腕、足底を支える枕を置くなどして安楽な姿勢を心がける。
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風疹
三日ばしかのこと。飛沫を介して感染するが伝染力は弱い。妊娠初期に感染することで、胎児に先天性風疹症候群を引き起こすことから、ワクチンの予防接種が行われる。
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フェイスシート
概要表ともいう。介護や福祉の現場で利用者の氏名、住所、年齢、職業、健康状態、家族関係などを記録する用紙。
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フォーマルサービス
介護保険など、社会制度に基づいて行うサービスのこと。知人、友人やボランティアなどによるサービスはインフォーマルサービスという。
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不穏
イライラ、ソワソワして興奮状態に突入しそうな状態。
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不感蒸泄
汗以外に皮膚から意識されず、からだの水分が失われること。普通は、1日に600~700mLになる、呼気から蒸発する水分は300mLほど。
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腹腔鏡手術
腹部に腹腔鏡とよばれる棒の先についたカメラを差し込む孔と、鉗子という器具を差し込む孔をあけ、腹腔内を空気で膨らませて鉗子で病気の部分を切除したりする手術。傷が小さく、退院が早い。
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副交感神経
自律神経のひとつで、リラックス状態のときに働いている。交感神経とともに、生体機能の恒常性を保っている。
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副甲状腺
頸部にある甲状腺の裏側にある4つの内分泌腺。血中のカルシウムイオンの量を調節している。
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副作用
薬には、効果(作用)もあるが、逆にからだに悪い影響を及ぼす作用もある。これを副作用といい、漢方薬を含め薬には必ず備わっている。医師は、作用と副作用のバランスをとりながら薬を処方するので、副作用が出たときには必ず速やかに報告することが大切。
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福祉事務所
「福祉に関する事務所」のことで、社会福祉法で規定されている。地方公共団体でこの言葉が使用されている。
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福祉住環境コーディネーター
高齢者や障害者のよりよい住環境を提案する民間資格。東京商工会議所による検定試験がある。
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福祉用具
障害者や介護の支援に使用する日常生活用具のこと。介護保険法では、貸与種目と購入種目に分けられ、保険給付の対象となる。
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福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員指定講習を修了した者で、障害を有する利用者の自立した生活を支えるため、より適した福祉用具を提案する職種。
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福祉六法
生活保護法、児童福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、母子及び寡婦福祉法のこと。
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副腎
左右の腎臓の上にある2つの臓器。生命維持に不可欠のステロイドホルモンを産生、分泌する。
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腹水
腹腔内に水分が異常にたまった状態。腹部が膨らみ、ひどくなると呼吸や食欲に支障が出る。穿刺して水を抜くことがある。
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腹部膨満感
おなかが張った状態のこと。
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腹部マッサージ
便秘の解消を目的にへそから下を「の」の字を書くようにするマッサージのこと。仰臥位に寝かせて小刻みにゆっくり圧迫していく。
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服薬管理
薬を常用している人に対し、服薬量、時間、服薬期間が指示どおり守れるよう支援し、服薬後の観察をすること。
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不顕性誤嚥
嚥下機能の低下により、むせたり咳き込んだりすることがないのに、唾液などが気管に入ってしまう状態。誤嚥性肺炎の原因となる。口腔ケアをして予防する。
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撫擦法
マッサージの際、手指を使って撫でさする手技。
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浮腫
むくみ、または水腫ともいう。体内の水分量の調節に障害があり、細胞などに水がたまった状態。すねなどを押してみるとへこんだまま戻ってこないことでわかる。心臓や腎臓の異常あんどさまざまな原因がある。体内では脳浮腫や肺水腫もある。
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不随意運動
自分の意思とは関係なく動いてしまう動作。振戦はどパーキンソン病などの症状。
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不整脈
心臓の拍動が乱れた状態。心臓の鼓動が速くなったり、遅くなったり、跳んだりするように感じる。1分間100回以上を頻脈性不整脈、60回以下を徐脈性不整脈という。生命に危険を及ぼす場合もある。
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フットケア
足の爪切り、角質の除去、マッサージやストレッチをすることで、高齢者の転倒を防止したり、清潔を保ったりすること。閉じこもりの防止にも役立つ。
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不定愁訴
何となく体調が悪いが、病院に行くとこれといって悪いところはないとされる状態。頭痛、めまい、肩こりなど、自律神経失調症とか、更年期障害といわれることが多い。
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不服申立て
介護認定された要介護状態区分に対し、納得できないときに見直しの対象となることを希望し、申立てをすること。
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部分浴
からだの一部分を湯に浸けて洗うこと。手浴、足浴、洗髪がある。湯に浸からない部分が冷えないように室温に注意し、タオルなどで覆いながら行う。
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不飽和脂肪酸
不飽和二重結合をもつ脂肪酸の総称で、エネルギー源となり、また細胞膜などを構成する生理成分。一価不飽和脂肪酸(オリーブ油など)は中性脂肪を減らし、多価不飽和脂肪酸のうち魚油に含まれるn-3系は血栓を防ぎ、n-6系は悪玉コレステロールを減らす作用をもつ。
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プライバシー
個人的な生活や行動を他人に干渉されないでいる自由のこと。介護におけるプライバシーでは介護上知り得た要介護の情報や私生活を他人に漏らしてはならない義務がある。
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プリン体
細胞のなかにある核酸に含まれている成分で、ほとんどの食品中にある。肝臓で分解後尿酸として排泄されるが、排泄されずに尿酸の濃度が高くなると痛風などを起こす。
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平滑筋
意識して動かすことのできない不随意筋で、横紋筋のような模様がなくなめらか。血管、消化管、気管、尿管などに存在する。
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平均余命
ある年齢の人がその後生きる年数のことをいう。新生児の平均余命は平均寿命となる。
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平衡機能障害
姿勢を調節する機能に障害があり、目をつぶって歩くことで判定される。脳卒中で起こる場合とメニエール病など耳の障害で起こる場合がある。
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ペインコントロール
疼痛管理。緩和医療ともいう。痛みを麻薬などを使い、軽減する療法。使用する麻薬は厳重な管理がなされる。
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ペースメーカー
不整脈など、心臓が自ら発する電気刺激が乱れて心臓の動きが悪くなる病気のとき、代わりに機械を体内に埋め込み電気刺激を発して心臓を正常に動かす。携帯電話や盗聴防止装置、金属探知機、IH炊飯器などの電磁波によって悪影響を受けるといわれている。
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ヘリコバクター・ピロリ
胃の粘膜を好んで棲みつき、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんの原因となる細菌。抗生物質の投与による除菌で治療する。
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ベロ毒素
腸管出血性大腸菌や赤痢菌が産生する毒素のこと。細菌そのものではなく、この毒素が腸管の出血や下痢、溶血性尿毒症症候群(HUS)などを引き起こす。
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変形性関節症
加齢に伴って、股関節や膝関節の軟骨が摩耗することで異常に増殖した骨に棘ができ、それがこすれて痛む。膝関節では、O脚になる。軟骨成分を増やすことはできず、ヒアルロン酸の注射や人工関節置換術が行われる。
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便失禁
便をもらすこと。自分の意思で肛門括約筋の調節ができなくなって起こる。ケアする場合は人としての尊厳、プライバシーの保持や褥瘡に注意する。
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便秘
排便回数が少ない状態。水や食物繊維を十分にとり、運動で改善を図る。大腸が始まる右下腹部から“の”の字を描くように刺激するのも効果がある。
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防衛的退行期
発生した緊張や葛藤から自分の心を守り、安全で安心できる心の状態にするために、赤ちゃん返りなど成長段階を逆戻りするような時期。
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包括的支援事業
地域住民の保健医療の向上と福祉の増進を包括的に支援するため、地域住民の心身の健康の保持および生活の安全のための援助を行うこと。
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膀胱
腎臓でつくられた尿を一次的にためる臓器。蓄尿とともに、排尿時に膀胱が縮まることで、コントロールされた排尿が可能である。
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乏尿
尿量が1日400mL以下の状態。水分摂取量が減ったり、腎臓・心臓に異常がある場合などに起こる。乏尿に気付いたらすぐ医師に報告する。
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訪問活動記録
介護職員や訪問看護師などが訪問した後に日時、訪問した人の氏名、生年月日、その日の介護内容などを誰が見てもわかるように記録できるようにしたもの。
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訪問看護ステーション
訪問看護サービスを提供する事業所。
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飽和脂肪酸
乳製品や肉類に含まれる脂肪酸で、重要なエネルギー源。コレステロール値を上げる。融点が低いためからだのなかで固まりやすく、脂肪組織に蓄積しやすい。摂取しすぎると生活習慣病の原因となる。
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保菌者
病原体に感染しているが、病気が発症しない状態の人。排菌者と違い、症状がないことで、無意識に感染源になる場合がある。
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保健機能食品
食品のうち、一定の条件に合致した食品で、特定保健用食品と栄養機能食品を含む。
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保健所
地域住民の健康や衛生を支える公的機関。
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保健センター
市区町村が健康づくりを推進するために設置した、健康相談、健康教育、健康診断などの地域に密着した保健サービスを総合的に提供する拠点施設。
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歩行器
リハビリテーションの際に使う、フレームを手や腕でもち、からだを支えながら歩行を補助する用具。外出に使用できるものもある。
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補助・保佐・後見
成年後見制度の法定後見制度が、軽度の認知症や知的障害者などのための補助、それより判断能力のかける人のための保佐、常に判断能力を欠く状態にある人のための後見に分かれていること。
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ホスピス
末期の患者が死を迎えるまで、苦痛を緩和しその人らしく生きていくことを支える施設。
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補装具
義手、義足などからだの欠損した部分を補う義肢、下肢や体幹に装着するコルセットなどのほか、車いす、補聴器、杖、スピーチエイドなどさまざまなものがある。
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ポータブルトイレ
立ち上がり、移乗が可能な人が、居室で用を足すことができる移動可能なトイレ。家具調で普通のいすに見えるものもある。
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補聴器
補装具のひとつ。聴覚障害がある人の聞こえを助ける器械。聴力を測定し、その人に合ったものを選ぶ。
-
発心
湿疹や水疱などが皮膚にできること。
-
発赤
皮膚が赤くなること。炎症があるときにみられる。
-
ボディメカニクス
からだの各部位の形態や特性を生かして、効率よくからだを動かす方法。
-
ホメオスタシス
体温、血圧、心拍、電解質バランス、呼吸など、からだの状態が一定に保たれている(恒常性)こと。
-
ホルモン
内分泌腺から分泌される物質で、血管を通って運ばれる。ひとつのホルモンが働きかける臓器は決まっている。
ま行
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マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ(細菌とウイルスの中間に位置する病原体)による感染症。飛沫感染。潜伏期間は2~3週間。発熱、頭痛、倦怠感、長く続く咳が症状。体力、免疫力の低下した人では重症化する。
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巻き爪
爪が内側に巻き込まれ皮膚に食い込んだ状態。深爪すると起こりやすく、靴を履くとき痛みが生じたり歩行の障害ともなる。巻き爪などの病変があるときの爪切りは医行為。
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麻疹
はしかのこと。麻疹ウイルスの感染による。幼児期での罹患が少なくなったこと、ワクチンの接種が任意になったことなどから、終生免疫を獲得している人が少なく、近年の大流行につながった。
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末梢神経系
末梢を支配する神経で、12対の脳神経、31対の脊髄神経からなる。
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マンシェット
血圧を測るときに、上腕などに巻くもの。圧を測るために空気を入れて腕の動脈を圧迫する。
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味覚障害
脳神経の障害や舌の異常、薬の副作用などで生じる。味覚障害ではないが、高齢者では、味を感じにくくなり、濃い味を好むようにんることが多い。
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ミキサー食
咀嚼力が落ちたり、嚥下困難になった高齢者などにミキサーを使い食品を粉砕してペースト状にして食べやすくしたもの。
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看取りケア
死にゆく人の選択と決定を支え尊厳を保ち、精神的・身体的・霊的苦痛をやわらげ、最期までその人らしく生活するための日々を支えること。介護保険制度にも「看取り介護加算」が創設された。
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看取りケア同意書
施設入所時には、急変時の延命処置の対応、最期を迎える場の選択など、どこでどのような死を望んでいるかを利用者と家族に聞き、「看取りケア同意書」に記入してもらう。
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ミネラル
無機質ともいう。からだを構成している元素のうち炭素、水素、酸素、窒素以外のもので、からだの構成成分であるほか、恒常性の維持に関わる。カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、ヨウ素、亜鉛、銅、マンガン、セレン、クロム、モリブデン、カリウム、ナトリウムをいう。
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耳鳴り
キーンという音やセミが鳴いているような音が耳のなかで聞こえる症状。高齢者に多い。他覚的耳鳴りといって、人から聞こえるものもある。
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脈拍
動脈の拍動のこと。心臓の拍動と同調している。体表面に近いところを走っている橈骨動脈、総頸動脈、足背動脈などで計測する。
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味蕾
舌の表面、軟口蓋や咽頭の粘膜にある味覚を感じる器官。減少すると、味覚障害になる。
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民生委員
地域住民の福祉向上のための相談、指導、調査などの活動のほか、福祉事務所などへの協力活動を行う民間のボランティア。
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むせ
肺への道である気管と食物の道である食道の入り口が隣り合っているため、食物や水分は誤って気管に入りやすく、むせは誤って気管に入ったものを出そうとする反射のこと。
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無尿
1日の尿量が100mL未満の状態。生命の危険がある。
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メタボリックシンドローム
高血糖、高血圧、脂質異常症のうちいずれか2つがあり、内臓脂肪型肥満がある状態。日本の内臓脂肪型肥満の基準は、腹囲で男性85cm以上、女性90cm以上となっている。
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滅菌
すべての微生物を完全に除去・殺滅すること。加熱や次亜塩素酸などで減菌する。一方、消毒は病原性のある微生物を除去・殺滅し感染の危険をなくすこと。
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メディカルスタッフ
医師、看護師、臨床検査技師など、医療に関わる専門職のこと。医師・歯科医師を除く医療従事者の呼称として「コメディカル」があったが、最近では使われなくなってきている。
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メニエール病
耳鼻科疾患。難聴、耳鳴り、反復性めまいが特徴。回転性のめまいで、悪心・嘔吐を伴う。
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めまい
眩暈とも書く。自分のまわりがグルグル回り、悪心・嘔吐を伴う回転性めまいと、ふらつき、立ちくらみなどのめまいがある。
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免疫
抗原抗体反応と、入ってきた病原体を細胞が食べてからだを防御する仕組みがある。高齢者では免疫力が低下するので、病気にかかりやすい。
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メンタルヘルス
精神的健康、心の健康、精神衛生のこと。
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毛細血管
動脈と静脈の間に存在する血管で、非常に細く、細胞との間で酸素やそのほかの物質の交換を行う。
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妄想
病的な思い込み。もの盗られ妄想は、認知症の周辺症状(BPSD)。
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網膜色素変性症
特定疾患。難病で、眼の網膜に異常をきたし、夜盲、視野狭窄、羞明から、視力の低下、色覚異常などの症状が出る。
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網膜剥離
網膜の内膜が剥がれること。糖尿病網膜症の合併症としてある。
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盲ろう
視覚障害(盲)、聴覚障害(ろう)を併せもつ人のこと。
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燃え尽き症候群
バーンアウトシンドロームともいう。仕事などに精力的に取り組んでいた人が、急激に活力を失い、やる気が失せ、無気力状態となること。
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モニタリング
ケアマネジメント過程において、介護計画(ケアプラン)は適切であったか、サービスが計画どおりに提供されているか、新たに利用者のニーズが発生していないかなど、利用者の状態を把握して、事業者の活動を評価・検証すること。実施評価ともいう。
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もの盗られ妄想
認知症の周辺症状(BPSD)で、自分でしまい忘れたり、置き忘れたりしたものを、判断力の低下で人が盗んだと思いこんでしまうもの。「一緒に探しましょう」などと対応する。
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もの忘れ
認知症の中核症状。初期の認知症で、周囲の人が気づく症状がもの忘れ。ものを置いた場所がわからなくなる、同じことを短時間に何度も言うなどがある。
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モルヒネ
がんの痛みをやわらげるために処方される。麻薬なので、保管や使用の規則がある。
や行
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薬剤アレルギー
薬の副作用のひとつで、特定の薬でアレルギー反応が出ること。じんま疹のような薬疹や、生命に危険を及ぼすアナフィラキシーなどの症状が出る。アスピリン喘息が有名。もともと牛乳や卵白などたんぱく質にアレルギーのある人がその成分を含む薬を服用したときになることがある。
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薬剤師
国家資格。医師の指示のもと薬剤を調剤し、または一般人に医薬品を販売する職種。
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薬疹
薬を飲んだことで、皮膚にじんま疹のような湿疹ができる症状。すぐに服用を中止し、医師に報告する必要がある。スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症など生命に危険を及ぼす重篤な薬疹もあるので、注意が必要。
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有料老人ホーム
高齢者に必要な日常生活上のサービスを提供する施設。施設と利用者の個別契約により、全額利用者負担となる。
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ユニットケア
入所前後の生活が連続されるよう配慮することで、入所者の意思と人格を尊重し、入所者同士が相互に社会的関係を築きながら自立した生活を支援する方法。
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ユニバーサルデザイン
年齢、男女、出生地や人種などの違い、障害や能力の違いに関係なく利用できる施設・製品の設計、デザインのこと。
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要介護度
介護保険の保険給付を受けるための基準。要支援1~2、要介護1~5までの7段階に区分され、受けられるサービスが決定される。
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要介護・要支援認定
護保険制度利用希望者は、市区町村に対し要介護認定申請を行い、主治医に対し「主治医意見書」の作成の依頼を行う。次に認定調査員による認定調査が行われ、主治医意見書と認定調査の結果による「1次判定」が行われる。次に介護認定審査会は、市区町村の事務局が作成した審査会資料をもとに、議論し、要支援、要介護度を認定する。
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養護老人ホーム
環境上または経済的理由により、自宅での療養が困難となった高齢者を措置によって入所させる施設。
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腰椎
脊柱の腰の部分。5つの椎骨からなる。
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抑制
身体拘束のこと。歩き回り(徘徊)や転落を防ぎ安全を図ることを目的に、ベッドや車いすに縛りつけたりして高齢者や精神障害者のからだの自由を奪うこと。介護保険指定基準においては禁止されているため、原則として行わない。
ら行
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ライフイベント
人の一生における、誕生、就学、卒業、就職、結婚、出産、退職などの、人生の節目となる大きな出来事のこと。
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ライフサイクル
人の一生の節目と変化は、誕生から乳幼児期、学童期、思春期、青年期、壮年期、老年期を経て死に至るまでの過程としてみることができるが、こうした人の生活周期をライフサイクルという。
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ライフステージ
人の一生のある時期、段階のこと。乳幼児期、学童期、思春期、青年期、壮年期、老年期などのライフサイクルにおけるそれぞれの特徴的な時期を指す。
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ラクナ梗塞
脳梗塞のひとつ。ラクナは小さい穴のこと。細い脳血管が詰まり、多発する。認知症の原因となる。
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ラポール
信頼関係のこと。
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理学療法士
国家資格。障害のある人の日常生活動作の改善を目的に、関節可動域、筋力強化、まひの回復に対する療法を行う職種。略称はPT。
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リスクマネジメント
事故の発生の防止、または危険や事故が発生した場合に速やかに事態を収拾するよう処理して損害を最小限に食い止めること。介護分野では転倒や誤嚥などの介護事故を未然に防ぐことを指す。危機管理ともいう。
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リーチャー
自助具のひとつ。手の届かないところに落ちたものをはさんで拾ったり、高いところのひもやカーテンを引っかけたり、更衣の際に使う。
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利尿薬
体内に水分がたまる浮腫、心臓や腎臓の負担の軽減や高血圧を改善するための薬。高齢者の服用が多い。
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リハビリ工学士
工学の知識や技術を用いてリハビリテーション機器の開発、義肢・装具、自助用具の作成、視覚障害者のための感覚歩行機器などの製作にかかわる職種。
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流動食
高齢や消化器手術後、衰弱により固形物を飲み込みにくい場合に食事を液状化したもの。咀嚼せずに飲み込め、口のなかに残滓が残りにくいように工夫されている。
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療育手帳
知的障害者が対象の障害者手帳。都道府県知事が発行する。
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緑内障
あおそこひともいう。眼球が硬くなって眼圧が高くなり、視神経の障害が起こる。
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臨床検査技師
国家資格。医師の指示に基づき、臨床検査などを行う技術者。
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リンパ管
リンパ液が流れる管。末梢から戻ったすべてのリンパ管は合流して鎖骨の下にある左右の静脈に合流する。弁があり逆流を防いでいるが、心臓のようなポンプがないので、体表から弱い力でそっと撫でるのは、リンパの流れをよくするのに有効。
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レクリエーション
楽しさや喜びを感じさせる遊びやスポーツ、旅行など。
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レジオネラ症
レジオネラ属の細菌の感染により重症の肺炎を起こす。空調設備や循環式の風呂等で菌が増幅し、レジオネラ菌を含む水の微粒子を吸いこむことによって感染する。
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レスパイト
在宅で要介護者を介護している人が、介護から解放されるよう、一時的に介護を代行する援助。
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レセプト
診療報酬明細書のこと。医療保険で賄われる医療費の明細書。
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レビー小体病
認知症のひとつ。幻視、動作のにぶさ、うつ、寝ているときの多動や大声があり、転びやすい特徴がある。
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レム睡眠/ノンレム睡眠
睡眠は、浅いとき深いときを交互に繰り返す。レムとはrapid eye movementの略で、寝ている人を観察するとわかるが、瞼の下で眼球が動いている浅い睡眠のことをいう。このときには、夢を見る。深い睡眠は眼球が動かないノンレム睡眠。
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瘻孔
あなのこと。胃瘻のように人工的につくられるものと、痔瘻のように疾患によりできるものがある。
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老人斑
高齢者、特にアルツハイマー認知症の人の脳に数が多くみられる、アミロイドという物質の沈着で破壊された神経細胞。
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老人福祉法
国および地方自治体が責務をもって、老人の心身の健康の保持および生活の安定を図るための必要な措置を講じなければならないとした法律。
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老人保健施設
老人ホームと老人病院の双方の機能をもつ中間的な施設。介護保険法の施行によって、老人保健施設は介護老人保健施設と介護療養型医療施設に分けられた。
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老年症候群
若い頃はないが、加齢に伴う機能低下などで起こってくる疾患などのこと。転倒による骨折、認知症、生活不活発病、寝たきりなど幅広い。
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弄便
認知症の周辺症状(BPSD)で、おむつをいじったり、自分の便を壁になすりつけたりする行為。
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老老介護
高齢者が高齢者を介護している状態。核家族化のなかで、老老介護の件数は増加し続けている。
わ行
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ワクチン
病原体を体内に入れることでその病気に対する免疫を獲得する方法。毒性を弱めた生ワクチンと死んだ病原体を使う不活化ワクチンがある。
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ワルファリン
血栓塞栓症の治療および予防に使用される抗凝固剤。脳血栓を起こした人が予防に飲んでいることが多い。服用するとけがなどで血が止まらなくなったり、脳出血を発症しやすい傾向になる。食べ物に関する制限が多く、納豆、青汁、大量の緑黄色野菜は特に注意する必要がある。