◆ 介護の際に腰を痛めやすい姿勢
移乗介助や排泄介助、入浴介助などでは前かがみの姿勢や中腰になることが多いです。
また、本来はやってほしくないのですが、どうしても腰をひねった動作をすることもあります。腰をかがめた状態で介護を行ったり、その姿勢を続けていると、腰痛の原因となってしまいます。
◆ ではどうしたらよいか?腰痛予防!
なんといっても「ボディメカニクス」を理解し実践することです。
ボディメカニクスとは、姿勢を安定させて少ない力で高齢者を支えたり、動かしたりすることができる介護技術のことです。
人間本来の姿勢や、動作をするときの骨や筋肉などの力学的関係から考えられました。
ボディメカニクスをマスターすることは、介護者自身にとってはもちろん、介護を受ける高齢者の方にとっても安心で、楽な介護となります!
ボディメカニクスの8原則
①支持基底面積を広くとる!
支持基底面とは、足を広げた面積です。ようは踏ん張りがきくように足を広げることです。但し広げ過ぎはバランスを崩すので、人それぞれ体格に合わせた面積を取りましょう。
②膝を曲げ重心を落とす
低いところにあるものを持ち上げるときや、座っている高齢者の移乗介助をするときなど、膝を曲げましょう。ついつい腰を曲げてしまいがちですが、それが腰痛の原因!!グキッとやってしまいますよ。
③対象に近づく
対象者・物に近づくことで力を伝えやすくなります。重いものを持つときは皆さん脇を締めて体で抱えますよね?原理はそれと同じです。腕を伸ばしてたら重く感じてしまいます。
④対象を小さくまとめる
力が分散しないように対象を小さくコンパクトにすることを意識しましょう。腕は胸の前で組んでもらったり、足は膝を立てたり。できる方は少し丸まってもらうようにしても良いでしょう。(※対象者の状態に合わせて無理のない範囲で!)
⑤押さずに引く!
押す動作は力を分散させる動作です。引くことで力を集約できるので、力が伝わりやすくなります。ベッド上の高齢者の寝返り(体位交換)の際は押さずに手前に引きましょう。
⑥水平に移動する
水平に移動すると重力の影響を受けないので負担が軽くなります。ベッドから車いすへ移乗するときは、ベッドを車いすの座面より高くしましょう!車いすからベッドに移乗するときは、反対にベッドを低くしましょう!
⑦足先を動作の方向に向ける(身体をねじらない)
腰をねじるのはNGだと考えましょう。そのためには足先、つまりつま先を動きたい方向に向けます。そうすると体を無理なく使えます。
⑧てこの原理を利用する
支点・力点・作用点…といわれても難しいですよね。たとえば、ベッドから起き上がるときはお尻や肘をついて、そこを支点にします。足をベッドから降ろす力(力点)を活かして上半身を起こします(作用点)。
◆ ちゃんと使おうベッドの機能!
ベッドの高さ調整の機能、使ってますか?
多くの介護士が時間がもったいない!とベッドの高さを調整せずにそのまま介助していると聞きます。
先のボディメカニクスを読んだ方はお分かりになると思います!ベッドの高さ機能は必ず使ってください!
ベッドをはじめとする福祉用具の機能を活用することは、介護士の身体を守ることはもちろん、利用者様の安心・安全にも繋がります!
◆ 仕事の前、仕事中、休憩の時、仕事が終わったら、寝る前に・・・ストレッチ!
筋肉をほぐすにはやっぱりストレッチが大切です。
やり方は自由!自分が気持ちよいな、身体が伸びているな、と感じられればOK。
本当のお勧めは勤務前にラジオ体操第一!本気でやると身体中が伸びて、仕事もスムーズに入れます。身体が目覚めます!
ぜひお試しください!!